「女子が子供を2人以上生むこと」、そう、それは大切だと思うよ
◆某中学校、全校集会におけるU校長の講話
まず女子に言いたい。
将来、子供を2人以上生んでほしい。
これは仕事でキャリアを積むのと同じくらい価値あることだ。
よく少子高齢化と言われるが、高齢化はいいと思う。昔は「人生50年」などと言われたが、みんなが健康で100歳まで生きられるとしたら、人生を2回生きられるみたいなもんだ。楽しいじゃないか。だから、高齢化が困ったことだと言う人はいないと思う。
一方、少子化はどうだ。私は、これはちょっと困ったことだと思う。
ところで。
キミたちは、いまなぜ自分がここにいるかを考えたことがあるか。
それは、ひいおばあちゃんがおばあちゃんを生み、おばあちゃんがお母さんを生み、お母さんがキミたちを生んだからだ。そうやって、命をつないできたから、今キミたちがここにいる。
命をつないで行くこと。それは尊いことだ。
この世に生を受けた者は、その生をつないで行かなければならない。
少子化というのは、その生のつながりが、命のつながりが、だんだんとか細く、弱くなっていく現象だ。
だから私は、少子化がいいことだとは思わない。少なくとも、どんどん少子化が進んだほうがいいとは思わない。
もちろん、身体的な理由で子供が生めない人がいるかもしれない。結婚しない人もいるかもしれない。だが、子供を育てるということは、社会全体で行うものでもあるから、そういう人は、また別の形で力になってくれればいい。それも尊いことだ。
さあ、今度は男子だ。おい、他人事だと思って聞いてる場合じゃないぞ。
子供を生み育てるという、尊く、また困難な営みは、男子と女子が力を合わせてするものだ。
命をつないで行く責任は男子にもあるのだ。イケメンよりもイクメンを誇りとしようじゃないか。
仕事を通じて社会に貢献しながら、子育てをする。どっちも大事、どっちも大変。
だが、それをお父さんやお母さんがしてくれているおかげで、今キミたちはここにいる。感謝しなければいかんね。
ただ、仕事と子育ての両立は、キミたちにとってまだ先の話だ。
では、今は何をやるか。
そう、勉強と部活の両立だ。
子育ての方は、いずれ時期が来れば終わるが、勉強は一生続く。そのための基礎をしっかり築くのが、中学時代なのだ。
ということで、いつものことだが、私が言いたいのは、「勉強しなさい」ということだ。
以上は架空の講話。私の創作。
ただし、これには元ネタがある。
大阪市立茨田北中学校の校長講話だ。
この講話の一部を問題視する匿名の電話が市教委にあり、朝日新聞(朝日新聞デジタル)が取り上げ、「不適切な表現あり」として、市教委が校長処分を検討するという事態になった。
ニュースでは発言全体(発言要旨)も掲載しているが、見出しは、「『女性は2人以上産むことが大切』中学校長、全校集会で」というものであり、記事もそこを中心に書かれている。
全校集会の講話や、入学式・卒業式の式辞にまで、いちいちイチャモンをつけられるんじゃ先生もたまったもんじゃない。それも言葉尻をとらえられて。
まったく、このようなマスコミの報道の仕方にはイライラする。
というのは先月も書いたことだが、 なぜこのような報道が後を絶たないのかを、もう一度冷静に考えてみる必要がある。
われわれは、論理よりも表現に敏感であるようだ。
「言ってることは分かるけど、その言い方が気に食わない」という、あれだ。
身に覚えがある。
論理には論理をもって反論しなければならないが、論理がなくても表現や言い回し、単語に反応することはできる。マスコミはそこを分かっているから、しばしば論理ではなく表現を取り上げる。そのほうが「受け」がいいからだ。
そう考えると、このような報道の仕方が後を絶たない原因の半分は、読者の側にあるのではないかと思えてくる。
表現はどうでもいいとは思わないが、そこだけにとらわれてはいけない。
全体として何を言いたいのか、どういう主張なのかに目を向ける習慣を身につけなければならない。
と、改めて感じた次第である。
※校長の発言要旨は、「続きを読む」でご覧いただきたい。
まず女子に言いたい。
将来、子供を2人以上生んでほしい。
これは仕事でキャリアを積むのと同じくらい価値あることだ。
よく少子高齢化と言われるが、高齢化はいいと思う。昔は「人生50年」などと言われたが、みんなが健康で100歳まで生きられるとしたら、人生を2回生きられるみたいなもんだ。楽しいじゃないか。だから、高齢化が困ったことだと言う人はいないと思う。
一方、少子化はどうだ。私は、これはちょっと困ったことだと思う。
ところで。
キミたちは、いまなぜ自分がここにいるかを考えたことがあるか。
それは、ひいおばあちゃんがおばあちゃんを生み、おばあちゃんがお母さんを生み、お母さんがキミたちを生んだからだ。そうやって、命をつないできたから、今キミたちがここにいる。
命をつないで行くこと。それは尊いことだ。
この世に生を受けた者は、その生をつないで行かなければならない。
少子化というのは、その生のつながりが、命のつながりが、だんだんとか細く、弱くなっていく現象だ。
だから私は、少子化がいいことだとは思わない。少なくとも、どんどん少子化が進んだほうがいいとは思わない。
もちろん、身体的な理由で子供が生めない人がいるかもしれない。結婚しない人もいるかもしれない。だが、子供を育てるということは、社会全体で行うものでもあるから、そういう人は、また別の形で力になってくれればいい。それも尊いことだ。
さあ、今度は男子だ。おい、他人事だと思って聞いてる場合じゃないぞ。
子供を生み育てるという、尊く、また困難な営みは、男子と女子が力を合わせてするものだ。
命をつないで行く責任は男子にもあるのだ。イケメンよりもイクメンを誇りとしようじゃないか。
仕事を通じて社会に貢献しながら、子育てをする。どっちも大事、どっちも大変。
だが、それをお父さんやお母さんがしてくれているおかげで、今キミたちはここにいる。感謝しなければいかんね。
ただ、仕事と子育ての両立は、キミたちにとってまだ先の話だ。
では、今は何をやるか。
そう、勉強と部活の両立だ。
子育ての方は、いずれ時期が来れば終わるが、勉強は一生続く。そのための基礎をしっかり築くのが、中学時代なのだ。
ということで、いつものことだが、私が言いたいのは、「勉強しなさい」ということだ。
以上は架空の講話。私の創作。
ただし、これには元ネタがある。
大阪市立茨田北中学校の校長講話だ。
この講話の一部を問題視する匿名の電話が市教委にあり、朝日新聞(朝日新聞デジタル)が取り上げ、「不適切な表現あり」として、市教委が校長処分を検討するという事態になった。
ニュースでは発言全体(発言要旨)も掲載しているが、見出しは、「『女性は2人以上産むことが大切』中学校長、全校集会で」というものであり、記事もそこを中心に書かれている。
全校集会の講話や、入学式・卒業式の式辞にまで、いちいちイチャモンをつけられるんじゃ先生もたまったもんじゃない。それも言葉尻をとらえられて。
まったく、このようなマスコミの報道の仕方にはイライラする。
というのは先月も書いたことだが、 なぜこのような報道が後を絶たないのかを、もう一度冷静に考えてみる必要がある。
われわれは、論理よりも表現に敏感であるようだ。
「言ってることは分かるけど、その言い方が気に食わない」という、あれだ。
身に覚えがある。
論理には論理をもって反論しなければならないが、論理がなくても表現や言い回し、単語に反応することはできる。マスコミはそこを分かっているから、しばしば論理ではなく表現を取り上げる。そのほうが「受け」がいいからだ。
そう考えると、このような報道の仕方が後を絶たない原因の半分は、読者の側にあるのではないかと思えてくる。
表現はどうでもいいとは思わないが、そこだけにとらわれてはいけない。
全体として何を言いたいのか、どういう主張なのかに目を向ける習慣を身につけなければならない。
と、改めて感じた次第である。
※校長の発言要旨は、「続きを読む」でご覧いただきたい。
平成28年3月12日(土)、大阪市立茨田北中学校のホームページより。
平成28年2月29日(月)の朝礼講話 [要旨]は以下です。
全校揃った最後の集会になります。
今から日本の将来にとって、とても大事な話をします。特に女子の人は、まず顔を上げて良く聴いてください。女性にとって最も大切なことは、こどもを二人以上生むことです。これは仕事でキャリアを積むこと以上に価値があります。
なぜなら、こどもが生まれなくなると、日本の国がなくなってしまうからです。しかも、女性しか、こどもを産むことができません。男性には不可能なことです。
「女性が、こどもを二人以上産み、育て上げると、無料で国立大学の望む学部を能力に応じて入学し、卒業できる権利を与えたら良い」と言った人がいますが、私も賛成です。子育てのあと、大学で学び医師や弁護士、学校の先生、看護師などの専門職に就けば良いのです。子育ては、それ程価値のあることなのです。
もし、体の具合で、こどもに恵まれない人、結婚しない人も、親に恵まれないこどもを里親になって育てることはできます。
次に男子の人も特に良く聴いてください。子育ては、必ず夫婦で助け合いながらするものです。女性だけの仕事ではありません。
人として育ててもらった以上、何らかの形で子育てをすることが、親に対する恩返しです。
子育てをしたら、それで終わりではありません。その後、勉強をいつでも再開できるよう、中学生の間にしっかり勉強しておくことです。少子化を防ぐことは、日本の未来を左右します。
やっぱり結論は、「今しっかり勉強しなさい」ということになります。以上です。
平成28年2月29日(月)の朝礼講話 [要旨]は以下です。
全校揃った最後の集会になります。
今から日本の将来にとって、とても大事な話をします。特に女子の人は、まず顔を上げて良く聴いてください。女性にとって最も大切なことは、こどもを二人以上生むことです。これは仕事でキャリアを積むこと以上に価値があります。
なぜなら、こどもが生まれなくなると、日本の国がなくなってしまうからです。しかも、女性しか、こどもを産むことができません。男性には不可能なことです。
「女性が、こどもを二人以上産み、育て上げると、無料で国立大学の望む学部を能力に応じて入学し、卒業できる権利を与えたら良い」と言った人がいますが、私も賛成です。子育てのあと、大学で学び医師や弁護士、学校の先生、看護師などの専門職に就けば良いのです。子育ては、それ程価値のあることなのです。
もし、体の具合で、こどもに恵まれない人、結婚しない人も、親に恵まれないこどもを里親になって育てることはできます。
次に男子の人も特に良く聴いてください。子育ては、必ず夫婦で助け合いながらするものです。女性だけの仕事ではありません。
人として育ててもらった以上、何らかの形で子育てをすることが、親に対する恩返しです。
子育てをしたら、それで終わりではありません。その後、勉強をいつでも再開できるよう、中学生の間にしっかり勉強しておくことです。少子化を防ぐことは、日本の未来を左右します。
やっぱり結論は、「今しっかり勉強しなさい」ということになります。以上です。