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企業の世襲は難しい

 セブン&アイ・ホールディングス・鈴木敏文会長辞任。

 私は、これをきっかけに、「世襲(せしゅう)」ということを考えてみた。

 歌舞伎などの芸能の世界では世襲は当たり前だ。開業医の子どもが親の跡を継いでも国家試験さえ受かったんなら問題ないだろう。漁師の息子が漁師になったら跡取りができて良かったねという話だ。

 考えなくてはならないのが、政治の世界と企業の世界である。

 政治の世界では、二世議員が幅を利かしている。昔から、選挙に当選するには「地盤・看板・かばん」の3バンが必要だと言われているが、親が政治家であれば、子はスタート段階でこれらを備えているわけだから、圧倒的に有利なのである。

 だが、人々が、絶対にいけないことだと思ったら、投票という権利を行使することで、これを阻止することだってできるのである。

 企業の方は難しい。

 まず、企業を中小企業と大企業に分けて考えなければならない。

 多くの企業は、創業者がいて家業という形で始まるのだが、中小企業が中小企業に止まっている間は、世襲が是か非かという議論は起こらない。

 多くの中小企業経営者は全財産をかけなければならない。銀行融資を受けることから始まって、事務所の賃貸から電話やコピー機のリースにいたるまで、あらゆることに個人保証をつけさせられる。だから、会社が倒産したら、社員は失業するだけだが、社長は個人として数千万とか数億の借金を背負うことになる。社長稼業は結構リスキーなのだ。

 だから、子どもとしても、そんな馬鹿げたことやってられるかというわけで、そもそも世襲が成立しない。

 しかし、中には成功を収めて、中小企業から大企業に成長する場合がある。その実体は家業であったものが本物の企業になる。
 世襲が是か非かという議論は、ここから始まる。

 私には子に譲るほどの地位も財産もないのでよく分からないが、小さな家業が、大きな企業になると、自分が心血を注いで作り上げた自分の会社が、自分だけのものではなくなる。
 社員もボクの会社と言うし、株主もオレたちのものと言う。
 勝手に作った会社が、勝手にできなくなり、あげく私物化するなと言われる。
 おかしいな、私物だったのに。自分の力で大きくしたのに。
 
 小さいままだと、なり手がいなくて世襲できない。
 大きくしたらしたで、これまた世襲できない(できにくい)。

 そう考えると、企業なんてものは、いずれなくなるか、他人の手に渡るかのどちらかしかなく、創業者はそれを覚悟で育て上げるしかないということになる。

 自分の代から子の代への世襲に成功したとしても、その子がまた将来、批判にさらされながら、世襲に頭を悩ませねばならない。だったら、創業者の時点で決着をつけてしまえばと思うのは、私がヘボ経営者だからか。

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受験生・保護者の皆さん、学校や塾の先生方に最新情報をお届けします。ただし、結構頻繁に受験と無関係の話も。

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