合格に必要な力には、心の強さも含まれる
私は教員時代、1年生を担任したことは1度しかありません。「梅野先生は恐いから、1年生が可哀そう」というのが周りの先生の私への評価です。
で、そのたった1回の担任の時の話なんですが、HRでも授業でも絶対笑わない男子がいました。かなりの爆笑ネタでも、「フン、それがどうした」てな感じ。休み時間や昼休みの様子をそれとなく観察してみると、案の定いつも一人。
こりゃ放っておけんぞ、ということで、折を見て呼び出しました。
「オマエのふて腐れた態度、一体何が不満なんだ。ふざけんなよ」と、いきなり脅しをかける私。
いかんな。今ならこのセリフだけで訴えられちゃうかも。
「とにかく、思ってることがあるなら言ってみろ、怒らないから」って、怒ってるんですけど。
それで、とにかく私の勢いに押された彼が最初に口にしたのは、
「この学校の生徒は、みんな馬鹿だ」。
オイオイ、お前もこの学校の生徒だろう。みんなの中に自分は入ってないの、どうなの?
「みんな馬鹿って、だったら何でこの学校に入ってきたんだ」
「別に来たくて来たわけじゃないですよ」
そうか、分かってきた。つまんなそうに授業聞いてる割にテストがやたらできる理由がみえてきた。要するにランクを落として受験してきたわけだ。
「つまりアレだ。オマエより出来ないやつが、オマエが本来行きたかった学校に受かったんだ。だから、アイツが受かったんだからオレも受かるはずだった。オレはこの学校に来るはずの人間じゃなかった。そう思ってるんだな」
「・・・・・」
否定しないということは認めてるってことだ。
「しかし、馬鹿なのはオマエだぜ。最後に強気に攻めたやつと、弱気で守りに回ったやつの違いだよ。そういう情けない自分を棚にあげて、周りは馬鹿ばかりなんて、とんだ勘違いだ。オマエこそ大馬鹿野郎だ」
う~ん、今なら絶対にこんな言い方しない。若さは恐ろしい。
「だったらさ、オマエ部活入れよ。運動自信あるんだろう」
「えっ、どういうことですか?」
そうだよな、話の展開急すぎるよ。
「それじゃさ、ラグビーとかいいんじゃないの。みんな高校からだから、すぐレギュラー取れそうだし」
「考えたことないですよ」
「ラグビーは考えなくていいんだ。肉体とハート、これでいける。よし、今すぐ入部してこい」
何か、思いっきりおおざっぱな話だな。でも、当時の私はこんなだった。生徒の言い分にじっと耳を傾けるという姿勢が微塵もない。
結局、勢いに押しまくられたカレは、とりあえず部活に入った(正確には入らされた)。でも、部の顧問や先輩・仲間が良かったんですね。しだいにクラスメイトにも心を開くようになった。
当時、私はこう考えたんです。
コイツは自分は受かったはずと思ってるようだが、やっぱり無理だったんじゃないか。というのは、たしかに高得点で合格はしているけれど、それは、ランクを落として確実な学校を受けているという安心感が影響している可能性が高い。合格圏すれすれの学校を受けた場合、はたして同じように高得点できたかどうか。
そこで私は、コイツに必要なのは「たくましいハートだ」というわけで、いきなり部活という話に持っていくのですが、いかにも短絡ですね。
さて、受験生の皆さん、長々と昔話をしてきましたが、受験は受かるか落ちるかの勝負です。学力だけじゃない。強い気持ちも必要なんですよ。共に最後まで戦い抜きましょう。
で、そのたった1回の担任の時の話なんですが、HRでも授業でも絶対笑わない男子がいました。かなりの爆笑ネタでも、「フン、それがどうした」てな感じ。休み時間や昼休みの様子をそれとなく観察してみると、案の定いつも一人。
こりゃ放っておけんぞ、ということで、折を見て呼び出しました。
「オマエのふて腐れた態度、一体何が不満なんだ。ふざけんなよ」と、いきなり脅しをかける私。
いかんな。今ならこのセリフだけで訴えられちゃうかも。
「とにかく、思ってることがあるなら言ってみろ、怒らないから」って、怒ってるんですけど。
それで、とにかく私の勢いに押された彼が最初に口にしたのは、
「この学校の生徒は、みんな馬鹿だ」。
オイオイ、お前もこの学校の生徒だろう。みんなの中に自分は入ってないの、どうなの?
「みんな馬鹿って、だったら何でこの学校に入ってきたんだ」
「別に来たくて来たわけじゃないですよ」
そうか、分かってきた。つまんなそうに授業聞いてる割にテストがやたらできる理由がみえてきた。要するにランクを落として受験してきたわけだ。
「つまりアレだ。オマエより出来ないやつが、オマエが本来行きたかった学校に受かったんだ。だから、アイツが受かったんだからオレも受かるはずだった。オレはこの学校に来るはずの人間じゃなかった。そう思ってるんだな」
「・・・・・」
否定しないということは認めてるってことだ。
「しかし、馬鹿なのはオマエだぜ。最後に強気に攻めたやつと、弱気で守りに回ったやつの違いだよ。そういう情けない自分を棚にあげて、周りは馬鹿ばかりなんて、とんだ勘違いだ。オマエこそ大馬鹿野郎だ」
う~ん、今なら絶対にこんな言い方しない。若さは恐ろしい。
「だったらさ、オマエ部活入れよ。運動自信あるんだろう」
「えっ、どういうことですか?」
そうだよな、話の展開急すぎるよ。
「それじゃさ、ラグビーとかいいんじゃないの。みんな高校からだから、すぐレギュラー取れそうだし」
「考えたことないですよ」
「ラグビーは考えなくていいんだ。肉体とハート、これでいける。よし、今すぐ入部してこい」
何か、思いっきりおおざっぱな話だな。でも、当時の私はこんなだった。生徒の言い分にじっと耳を傾けるという姿勢が微塵もない。
結局、勢いに押しまくられたカレは、とりあえず部活に入った(正確には入らされた)。でも、部の顧問や先輩・仲間が良かったんですね。しだいにクラスメイトにも心を開くようになった。
当時、私はこう考えたんです。
コイツは自分は受かったはずと思ってるようだが、やっぱり無理だったんじゃないか。というのは、たしかに高得点で合格はしているけれど、それは、ランクを落として確実な学校を受けているという安心感が影響している可能性が高い。合格圏すれすれの学校を受けた場合、はたして同じように高得点できたかどうか。
そこで私は、コイツに必要なのは「たくましいハートだ」というわけで、いきなり部活という話に持っていくのですが、いかにも短絡ですね。
さて、受験生の皆さん、長々と昔話をしてきましたが、受験は受かるか落ちるかの勝負です。学力だけじゃない。強い気持ちも必要なんですよ。共に最後まで戦い抜きましょう。