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受験生に罪はないの大合唱、それで大丈夫?

 橋下大阪市長が桜宮高校の体育系学科の募集停止に言及すると、予想通り批判の嵐が吹き荒れた。
「受験生を犠牲にするな」「受験生に罪はない」の大合唱だ。

 この時期に突然、入試中止と言われたら、それは困る。悪いのは学校や先生であって、受験生には何の罪もない。受験生が犠牲になっていいのかというのは、まったくもって正論である。

 しかし、その罪のない受験生が、桜宮高校に入り、結果犠牲者となったのが今回の一件であろう。

 特に解せないのは、市の中学校校長会が、入試を予定通り行うよう求めていることだ。
「第二、第三の犠牲者が出ないよう、徹底的な原因解明がなされ、納得の行く改善策が示されるまで、この学校(学科)に生徒を送ることはできない」というなら、分かる。そういう意見は出なかったのか。
「今になって進路変更するのは生徒も大変だから、予定通り入試を行え」というのは、一見、生徒思いのようであって、実は本当には生徒の将来を考えていなことになるのではないか。

 事故を起こした会社が、原因究明もそこそこに営業を再開したら、世間はそれを認めない。
 報道で見聞きするかぎり、今回の一件は当該の部活顧問個人の責に帰すべき問題ではなく、学校の体質ないしは構造的な問題ととらえるべきで、橋下市長もそこのところを言っているのだろう。

 いつもながらの橋下市長の手法への反発もあるのだろうが、それはひとまずおいて、この際、学校における部活動の位置づけや、教職員の人事異動にまで踏み込んだ徹底的な見直し論議がなされるべきだろう。罪のない生徒を犠牲者にしないことを最優先に考えるならば、募集の一時停止は、それほど批判されるものではない。

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受験生・保護者の皆さん、学校や塾の先生方に最新情報をお届けします。ただし、結構頻繁に受験と無関係の話も。

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