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大妻嵐山は、「募集下手」を克服しないと

 大妻嵐山中学高校を訪ねた(塾対象説明会)。
 会社が浦和駅近くにある私が、11時からの説明会に間に合うためには、電車なら9時15分ごろ、車なら9時45分ごろに出発する必要がある。
 今日は、東京外環と関越自動車道という2つの高速を使って、ちょうど1時間で到着。

 この学校。高校募集は180人と、県内最小規模校の一つである。
 募集定員が500人、600人の学校に比べたら、ずいぶんと楽だろうと思われがちだが、これがそうはならない。たった180人だからこその難しさがある。

 私はよくこんな例をあげる。
 たとえば募集定員720人の学校があったとする(実際に埼玉栄がそうだ)。その学校が32ページの案内パンフレットを1万部作ったとして、では、4分の1規模の大妻嵐山は、8ページの案内パンフレットを2500部でいいかというと、そうはならない。
 また、年間8回の説明会は、2回で済ませられるかというと、それも、そうはならない。

 つまり、生徒募集に投ずる予算、人員、時間などは、募集定員に比例して減らせる部分もあるが、そうはならない部分も多いのである。小規模校が、少ない人数、少ない予算で募集活動を行う難しさは、ここにある。

 今春の入試では、募集定員500人以上の高校で、定員割れを起こした学校はなかった。それに対し、募集定員300人以下の高校では、11校中6校が定員割れであった。単年度の結果だけで言うのは危険だが、小規模校の募集の難しさを表わしているのではないか。

 募集定員に達せず、いわゆる定員割れを起こすと、非常に印象が悪くなる。売れない商品は、何か欠陥があるのではないかと思われるのと同じで、生徒が集まらない学校には、何か問題があるのではないかと思われてしまうのだ。

 たしかに、そういうケースもある。しかし、どの学校だって、常に発展途上であり、改革途上なのであるから、探せば問題点はいくらでもある。決して「定員割れ校=問題あり校」というわけではない。

 まあ、私の印象としては、定員割れの原因は、7対3ぐらいの割合で、募集戦略の拙さにある。旨いレストランが全部繁盛するわけじゃないというのと一緒だ。

 この学校は、まず「募集下手(べた)」を脱しなければならない。

 図書館で自習中の高3生と少し話をしたが、礼儀をわきまえているし、考え方もしっかりしてる。いい教育できてるじゃないか。

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No title

ひと昔前は、塾も「よい授業をやっていれば、自然と人が集まる」というような風潮もありましたが、いまはどれだけ良い授業をやっていても、それをきちんと伝えるツールを持たないと、なかなか広がりを見せないような気がします。
少子化で“噂の密度"が下がってきたのかとも考えますが、SNSなどもあり、昔より“噂の密度”は濃くなったような気もしますし、なかなかどうしてなのか分かりにくいところもあるように思います。
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梅野弘之

Author:梅野弘之
受験生・保護者の皆さん、学校や塾の先生方に最新情報をお届けします。ただし、結構頻繁に受験と無関係の話も。

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