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テストは、生徒じゃなく、教えた自分(先生)が試される

 私が塾業界というものを初めて知ったのは20年ぐらい前のことだ。
 学生時代に塾講師をやったり、家庭教師をやったりというのはあるが、これはまた別の話だ。

 いろいろ驚くことが多かったが、その一つは、塾の先生たちが自分で教材や資料やテストを作らないことだ。
 学校の先生の時は、自分で教材を作って、授業をやり、最後は自分で問題を作ってテストをやる。これが当たり前で、周りもみんなそうしていた。
 特に、テストについては、「えっ、自分で作らないの?」と不思議に思ったものだ。

 まあ、大手の塾などは、教室ごと、先生ごとに好き勝手にやられたら困るわけで、統一したテキストやテストを使うべきだとは思うが、個人塾は「好き勝手」が売りなんだから、自前のテキストやテストを作ったら良かろうにと思う。

 なんて偉そうなことを言っているが、私も、テストを自前で作れるぞという自信ができたのは5年、いや10年経ってからかな。
 それまでは、「なんか、適当な問題ないかな」というんで、入試問題集なんかを漁っていた。で、それにちょっと手を加えて、オリジナルのふりして。

 自前のテストというのは、生徒を試すだけでなく、教えた自分をも試すことになる。
 教えたはず、分からせたはずのことを出してみるが、生徒は全然できない。
 「なんだよ、こんなのできないのかよ」の裏側にあるのは、「なんだよ、この程度しか教えられなかったのかよ」という落胆。己の力のなさを思い知らされるね。
 
 他人の作ったテストでも、ある程度はそういう感覚になるのだが、自分で作った問題の方がショックは大きく、しかしそれが自身の成長にもつながる。

 すでにそうされている先生が多いとは思うが、「好き勝手」が売りの個人塾の塾長には、ますます自前にこだわっていただきたいものだ。

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教えたことと、できるようにさせたことの
違いが一番実感できるのがテスト。
自分でテストを作ると、教えたはずなのに
こういう考えができるようになったはずなのに
と、自分の力のなさを実感します。

しかし、問題を作らない仕事もありますね。
講師です。講師は、一方通行で伝えることが
仕事です。予備校などはそうですよね。

講師でなく、指導者でありたいですし
特に中学生に携わる大人は常に指導者で
いていただきたいです。
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梅野弘之

Author:梅野弘之
受験生・保護者の皆さん、学校や塾の先生方に最新情報をお届けします。ただし、結構頻繁に受験と無関係の話も。

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