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ご冥福を祈るのではなく哀悼の意を表するのだ

 三笠宮崇仁親王殿下が薨去(こうきょ)された。

 新聞テレビ、ネットなどの報を見ると、ご逝去(せいきょ)または単に逝去としているものが多いが、かくのごとき場面では、薨去を使わなければならない。たぶん、マスコミの人々に常識が欠けていたか、薨去では無知な一般庶民には伝わらないと考えたか、どちらかだろう。たぶん、後者だろう。
 それにしても、ご逝去なら、ぎりぎり許せなくもないが、逝去はないだろう。これも尊敬語には違いないが、皇族の方々に使ってはいけない。

 いつぞや、テレビのコメンテーターが、今上陛下(きんじょうへいか)のことを「平成天皇」などと発言し、批判を浴びたが、ご存命中の天皇陛下は、常に「今上天皇」、「今上陛下」である。昭和天皇も崩御(ほうぎょ)されて後、そう呼ばれるようになったのであり、ご存命中は「今上天皇」であった。

 安倍晋三総理大臣は、「国民と共に慎んで心から哀悼の意を表します」との謹話を発表した。
 一方、民進党の蓮舫代表は記者会見で「心からご冥福をお祈りすると同時に、哀悼の意を表したい」と語った。やっぱりこいつは常識がない。二階俊博自民党幹事長もそうだ。「ご冥福を心からお祈り申し上げる」などとコメントしている。
 哀悼の意を表するのはいいが、皇族に対して、ご冥福を祈ってはいけない。

 そもそもご冥福の冥は、冥土(冥途)の冥で、仏教の言葉だ。相手がキリスト教徒だったりしたら使ってはいけない言葉だ。仏教の中でも、浄土真宗では普通使わない。
 「ご冥福をお祈りします」は、オールマイティじゃないんだよということを言っておこう。

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なるほど…
またひとつ、勉強になりました!
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受験生・保護者の皆さん、学校や塾の先生方に最新情報をお届けします。ただし、結構頻繁に受験と無関係の話も。

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