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過去問はどう使ったらいいのか(11月号)

UPテスト 理事長からのメッセージ(平成28年11月号)
過去問はどう使ったらいいのか。

 過去問の使い方については、すでにいろいろなところに書きましたが、改めて書いておこうと思います。

■過去問を「力試し」に使うのはもったいない

 塾の先生方の中には、あまり早い時期に過去問をやるべきではないと言っている方がいます。冬休みからと言っている方もいます。
 しかし私は、過去問をやるのは、早ければ早いほどいいという考えです。
 なぜ、このように正反対の意見になるのでしょう?
 おそらく、過去問を「何のためにやるか」という点において、考え方が異なるためではないかと思います。
 私は、過去問をやる目的は、「出題の傾向を知り、対策を立てるため」だと考えています。「対策を立てる」ためなので、早い方がいいわけです。
 早くからやるべきではないという塾の先生は、ある程度勉強が進んでから、「どのくらいできるか、力を試すため」に過去問を使おうという考えのようです。
 私の考えは、「力をつけるため」と言いかえることもできます。それに対し、一部の塾の先生は「力を試すため」と考えているわけですね。
 〇私の考え。
 教科書・問題集 → 力をつける
 模擬試験    → 力を試す
 〇一部の塾の先生の考え
 教科書     → 力をつける
 問題集・模擬試験→ 力を試す
 皆さんはどう考えますか?

■嬉しいことに、過去問から今度出る問題が予想できる
 
 突然ですが、来年皆さんが受ける29年度公立入試の社会の大問1・問1の答えは「太平洋」です。
 この予想は、非常に高い確率で当たります。
 予想の根拠を言います。
 次にあげるのは、社会の大問1・問1のここ8年間の答えです。
 21年度 太平洋
 22年度 南アメリカ大陸
 23年度 インド洋
 24年度 ユーラシア大陸
 25年度 大西洋
 26年度 オーストラリア大陸
 27年度 インド洋
 28年度 北アメリカ大陸
 29年度 ?
 以上のように、大陸と海洋を順番に出していて、今度は海洋の番です。海洋は三大洋を順繰りに出しているので、今度出るのは太平洋と予想できます。
 こういうの結構面白くないですか?
 「力試し」というのは、ちょっとおいといて、過去問を「予想問題集」として使ってみると、こういう発見がいくつもあるわけです。

■どの教科にも「定食」みたいな問題が必ずある。
 
 過去問を何も見ないで時間を計ってやるというテストのようなやり方では、なかなか上に書いたような発見はできません。
 たとえば、社会の大問2、あるいは理科の大問2をやると決めたら、それだけを6年分一気にやる。そういうやり方をすると、「あれ? これって前にも似たようなのが出たな」といった発見があるわけです。私はこのことを「過去問はタテにやらずにヨコにやれ」と言っています。
 国語と理科・社会については、29年度も傾向は変わらないと断言できます。英語と数学は、新たに「学校選択問題」が導入されるので、少し変わるかもしれませんが、他の3教科は、今までと同じ傾向になります。
 国語の小説文の読解(大問1)では、必ず主人公の「心情」が問われますね。古文(大問4)では、必ず「現代仮名遣いに直せ」の問題が出ますね。こういう定食みたいな問題があるわけです(定食じゃなく定番の方がいいかな)。
 こうした必ず出る問題やほとんど毎年出る問題をあらかじめ知って、それをできるようにするのが受験対策です。
 どうですか。今日から過去問のやり方を変えてみませんか。

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受験生・保護者の皆さん、学校や塾の先生方に最新情報をお届けします。ただし、結構頻繁に受験と無関係の話も。

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