公立入試はどう変わるのか(10月号)
UPテスト 理事長からのメッセージ(平成28年10月号)
公立入試はどう変わるのか
いろいろなところに情報があふれていますが、ここでもう一度、29年度公立入試がどう変わるかについて確認しておきましょう。
■理科・社会は時間が延長されるだけなので心配無用
理科・社会は、試験時間が40分から50分に延長されるだけで、出題内容やレベルについては今までと変わりません。
時間延長の理由について、埼玉県教育委員会は、「学習指導要領に示された思考力、判断力、表現力等の能力をみる問題に対して、受検生がしっかり考えて解答できる時間を確保するため」と説明しています。
「思考力・判断力・表現力等の能力をみる問題」とは、いわゆる記述・論述問題を指しています。過去問を通じて、「理由を説明しないさい」などの、文章で答える問題に強くなるようにしましょう。
なお、28年度(昨年度)は、社会の平均点が63.7点と過去最高だったのに対し、理科の平均点は39.2点と過去最低でした。したがって29年度は、社会はやや下げる方向で、逆に理科はやや上げる方向での修正が図られるものと予想されます。
■数学と英語は易しくなるというのが正しい解釈
29年度公立入試では、数学と英語は今までより易しくなる。これが正しい解釈です。
埼玉県教育員会の説明を見てみましょう。
「(数学と英語については)正答率が極端に低い問題があるなど難易度の設定等に課題がありました。そのため、数学及び英語の学力検査問題について、受検生一人一人が最後までしっかりと取り組み、力が発揮できるよう内容を改善します」。
「正答率が極端に低い問題があるなど難易度の設定等に課題がありました」というのは、平たく言うと、難しすぎる問題があったということです。ですから、それを改善するということは、易しくするということになるのです。
さてそうなると、「なんだ易しくなるのか。ならば安心」と考える人も出てきそうですが、そうは行きません。全体に易しくなったほうが、今までより得点差がつきやすくなります。易しければ易しいほど、そこで失点した人が不利になるのです。
■ただし一部の学校では数学と英語は逆に難しくなる
さて、ここからが重要です。
前述したように、今度の入試の改善は、分かりやすく言うと、数学と英語を今までよりも易しくするというものですが、それでは困るという学校がいくつか出てきました。浦和・大宮をはじめとする、いわゆる難関校です。
これらの学校は、今までの問題でも易しいと考えていました。易しくて皆が出来てしまい差がつきにくかったのです。それを今まで以上に易しくしたら、100点満点が続出して入試にならないではないかというのです。
そこで埼玉県教育委員会は、これらの学校の要望に応えるための対策を講じました。これが「学校選択問題」と言われるものです。
埼玉県教育委員会の説明を見てみましょう。
「例外的に問題の一部に応用的な問題を含む学力検査(学校選択問題)を実施することができます。また、「学校選択問題」は県教育委員会が作成します」。
希望する学校は別の問題で入試をやっていい。ただし、問題は学校ごとに作るのではなく、県教委がまとめて作る。ということです。
今年に入って県教委が希望をとったところ、20校が「学校選択問題」で入試を実施したいと名乗りをあげました。東部地区では春日部、不動岡、越谷北、越ヶ谷の4校、西部地区では川越・川越女子・所沢北・所沢・和光国際・川越南の6校、南部地区では浦和・浦和一女・大宮・市立浦和・蕨・浦和西・川口北の7校、北部地区では熊谷・熊谷女子・熊谷の3校です。
■レベルを示すサンプル問題が公開されているので必ず見ておく
では、実際のところ、「学校選択問題」はどのようなレベルの問題になるのか。それを示すために埼玉県教育委員会は、ホームページ上に「サンプル問題」を提示しています。前述した学校を希望している受験生は、必ず見ておいてください。「埼玉県公立入試サンプル」で検索すれば、該当のページが見つかります。これを見れば、明らかに今までの問題(過去問)よりレベルが上がっていることを確認できるでしょう。
■UPテストは「学校選択問題」レベル。難しいから受ける意味がある。
以上のような変更を受けて、今年度のUPテストは、数学・英語について、出題の内容・レベルを「学校選択問題」に合わせることにしました。示されたサンプル問題を研究し、それに沿った出題をするようにしています。
少し難し過ぎるという声も聞かれますが、模擬試験は、本番の試験よりやや難しいぐらいがちょうどいいと思います。皆さんも、本番の試験のとき、「今まで受けた試験より難しかった」と悔しがるより、「今まで受けた試験より易しかった」と自信を持って言えたほうがいいのではないですか。
ですから、これからも、ちょっと難しい問題を出し続けます。前述した20校以外の学校を受ける人も、UPテストに合わせて勉強して行けば、本番の入試は楽に突破できるでしょう。
最後までくじけず、あきらめず、一緒に頑張って行きましょう。
公立入試はどう変わるのか
いろいろなところに情報があふれていますが、ここでもう一度、29年度公立入試がどう変わるかについて確認しておきましょう。
■理科・社会は時間が延長されるだけなので心配無用
理科・社会は、試験時間が40分から50分に延長されるだけで、出題内容やレベルについては今までと変わりません。
時間延長の理由について、埼玉県教育委員会は、「学習指導要領に示された思考力、判断力、表現力等の能力をみる問題に対して、受検生がしっかり考えて解答できる時間を確保するため」と説明しています。
「思考力・判断力・表現力等の能力をみる問題」とは、いわゆる記述・論述問題を指しています。過去問を通じて、「理由を説明しないさい」などの、文章で答える問題に強くなるようにしましょう。
なお、28年度(昨年度)は、社会の平均点が63.7点と過去最高だったのに対し、理科の平均点は39.2点と過去最低でした。したがって29年度は、社会はやや下げる方向で、逆に理科はやや上げる方向での修正が図られるものと予想されます。
■数学と英語は易しくなるというのが正しい解釈
29年度公立入試では、数学と英語は今までより易しくなる。これが正しい解釈です。
埼玉県教育員会の説明を見てみましょう。
「(数学と英語については)正答率が極端に低い問題があるなど難易度の設定等に課題がありました。そのため、数学及び英語の学力検査問題について、受検生一人一人が最後までしっかりと取り組み、力が発揮できるよう内容を改善します」。
「正答率が極端に低い問題があるなど難易度の設定等に課題がありました」というのは、平たく言うと、難しすぎる問題があったということです。ですから、それを改善するということは、易しくするということになるのです。
さてそうなると、「なんだ易しくなるのか。ならば安心」と考える人も出てきそうですが、そうは行きません。全体に易しくなったほうが、今までより得点差がつきやすくなります。易しければ易しいほど、そこで失点した人が不利になるのです。
■ただし一部の学校では数学と英語は逆に難しくなる
さて、ここからが重要です。
前述したように、今度の入試の改善は、分かりやすく言うと、数学と英語を今までよりも易しくするというものですが、それでは困るという学校がいくつか出てきました。浦和・大宮をはじめとする、いわゆる難関校です。
これらの学校は、今までの問題でも易しいと考えていました。易しくて皆が出来てしまい差がつきにくかったのです。それを今まで以上に易しくしたら、100点満点が続出して入試にならないではないかというのです。
そこで埼玉県教育委員会は、これらの学校の要望に応えるための対策を講じました。これが「学校選択問題」と言われるものです。
埼玉県教育委員会の説明を見てみましょう。
「例外的に問題の一部に応用的な問題を含む学力検査(学校選択問題)を実施することができます。また、「学校選択問題」は県教育委員会が作成します」。
希望する学校は別の問題で入試をやっていい。ただし、問題は学校ごとに作るのではなく、県教委がまとめて作る。ということです。
今年に入って県教委が希望をとったところ、20校が「学校選択問題」で入試を実施したいと名乗りをあげました。東部地区では春日部、不動岡、越谷北、越ヶ谷の4校、西部地区では川越・川越女子・所沢北・所沢・和光国際・川越南の6校、南部地区では浦和・浦和一女・大宮・市立浦和・蕨・浦和西・川口北の7校、北部地区では熊谷・熊谷女子・熊谷の3校です。
■レベルを示すサンプル問題が公開されているので必ず見ておく
では、実際のところ、「学校選択問題」はどのようなレベルの問題になるのか。それを示すために埼玉県教育委員会は、ホームページ上に「サンプル問題」を提示しています。前述した学校を希望している受験生は、必ず見ておいてください。「埼玉県公立入試サンプル」で検索すれば、該当のページが見つかります。これを見れば、明らかに今までの問題(過去問)よりレベルが上がっていることを確認できるでしょう。
■UPテストは「学校選択問題」レベル。難しいから受ける意味がある。
以上のような変更を受けて、今年度のUPテストは、数学・英語について、出題の内容・レベルを「学校選択問題」に合わせることにしました。示されたサンプル問題を研究し、それに沿った出題をするようにしています。
少し難し過ぎるという声も聞かれますが、模擬試験は、本番の試験よりやや難しいぐらいがちょうどいいと思います。皆さんも、本番の試験のとき、「今まで受けた試験より難しかった」と悔しがるより、「今まで受けた試験より易しかった」と自信を持って言えたほうがいいのではないですか。
ですから、これからも、ちょっと難しい問題を出し続けます。前述した20校以外の学校を受ける人も、UPテストに合わせて勉強して行けば、本番の入試は楽に突破できるでしょう。
最後までくじけず、あきらめず、一緒に頑張って行きましょう。