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東大の推薦入試、やる前から失敗が見えている

 東大が推薦入試の導入を決めたようだ。

 率直に言って意味のない改革だ。そもそも改革と言えるかどうかだが、それはさておき、高校入試の経験から言うなら、何年間かやってみたもののさしたる成果を得られず、弊害のみが拡大し、結局は廃止となるだろう。

 背景には東大の危機感があると言われる。世界的規模でみると東大の評価は必ずしも高くないという話から始まって、東大を蹴って他大学医学部などに進学する生徒の増加、推薦で私大有力校に流れる生徒の増加。あるいはまた、知識は豊富だが創造性やコミュニケーション能力に欠ける入学者の問題などいろいろだ。

 東大は、己がかかえるさまざまな課題・問題を入試という入り口の改良で何とか乗り切ろうとしているのだが、そもそも、ここが間違いである。

 私は、中学校や高校の募集担当の先生方に、よくこんな話をする。

「学校、特に私立学校において募集活動は何にもまして重要である。それは単に経営上(財政上)の問題であるだけでなく、その学校が現にかかえている諸課題の多くは、募集活動をうまくやることによって解消できるからである。進路指導上の課題や、生活指導上の問題のかなりの部分は、入り口である入試の方法を変えることによって解消に向かわせることができる。

 私はここで改革とか改善という言葉を使わず、解消という言葉を使っている。募集担当者の知恵と努力で、いつの間にか消えて無くなるから解消である。

 私は、入試改革ということと、学校改革は分けて考えるべきだと思っている。どちらが優先されるかと言えば、学校改革である。学校改革の一部として入試改革があると言ってもいい。

 入試改革は即効性がある。効果がじわじわ現れるというものではない。即効性があるということは、裏返せば持続性がないということである。したがって、入試改革を行うと同時に、教育内容や教育方法などの改革を進めて行かなければならない。

 入試改革は、募集担当者を中心とした一部の努力で達成できるが、教育内容や教育方法の改革は、全教職員による総力戦となる。それだけに時間もかかり、困難を伴うが、本当に学校を変えるというのはそういうことである。」

 東大は、己がかかえる問題を、高校の進路指導のせいにしてはならないし、入学してくる生徒(学生)の責任にしてはならない。入試の制度を変えれば、短期的にはいくつかの問題は解消に向かう可能性はあるが、根本的な問題の改革・改善にはならない。
 入り口(入試)と出口(就職)は重要であるが、それ以上に大事なのは中身(4年間)の改革だ。その部分で、世間をあっと言わせ、なるほどとうならせる改革案を提示してもらいたいものだ。

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受験生・保護者の皆さん、学校や塾の先生方に最新情報をお届けします。ただし、結構頻繁に受験と無関係の話も。

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