教育無償化はいいが「こども保険」は騙しのテクニック
教育無償化についての議論が進んでいる。
もともと小中学校は無償であり、高校もかなり進んできたので、今後の課題は、幼稚園・保育園などの就学前教育と、大学教育ということになる。
無償化自体に反対する人は少ないだろうから、約5兆円と言われる財源をどのように確保するかが問題になる。
民進党も無償化には積極的で、新マニュフェストの中で、「①使いみちを限定した新たな国債発行による収入」「②所得税の配偶者控除の廃止」、「③消費税率を10%に引き上げた際の1%分の税収」、を挙げている。
ふだん、国の借金を増やすなと言っているのに、ここでは国債発行と堂々と言っている。配偶者控除の廃止は実質的には増税だ。一番驚くのは消費税の10%への引き上げを前提としていることだ。
まあ、民進党が政権を獲ることはないだろうから、ふんふんと聞いておく。
自民党はどうか。
一つは「教育国債」を発行するという案。もう一つは最近出てきたもので、小泉進次郎議員など若手が主張する「こども保険」という案。
「こども保険」というと、何か目新しく聞こえるが、名前を変えた税金だ。
保険というのは、偶然に発生する事象に備えて多数の人が保険料を出し、事象に遭遇した人に保険金を給付するシステムだ。自動車保険を考えれば分かる。
これに当てはめると、「こども保険」は、偶然に子供ができてしまったときに備えて多数の人が保険料を出し、子供ができてしまった人に保険金を給付するということになる。
だとすれば、私など60歳を過ぎた者は、子供ができて保険金をもらう可能性は限りなくゼロに近いので保険料を払う意味はない。「オレは入らんぞ」となる。
要するに、提言された「こども保険」は、本来の意味での保険システムではない。会社や社員が支払う厚生年金保険料の利率に0.1%ずつ上乗せし、将来的に0.5%にすることで、就学前教育の無償化につなげるプランだ。税金と言うと聞こえが悪いので、保険という名で徴収しようということだ。だから結局は税金と一緒。
こういう騙しのテクニックを使わず、財源は国債にするか税金にするかを正面から議論したほうがいい。
最後に私の考え。
子育てや教育を人への投資と考えれば、税金より国債発行が適している。ただ、将来的に税金で補完するという道も残しておいたほうがいい。新税を創設したり、既存の税率を上げなくても、景気の好転により税収が増えるという可能性も残されているからだ。
もう少し勉強しようと思うが、今はこんなところだ。
もともと小中学校は無償であり、高校もかなり進んできたので、今後の課題は、幼稚園・保育園などの就学前教育と、大学教育ということになる。
無償化自体に反対する人は少ないだろうから、約5兆円と言われる財源をどのように確保するかが問題になる。
民進党も無償化には積極的で、新マニュフェストの中で、「①使いみちを限定した新たな国債発行による収入」「②所得税の配偶者控除の廃止」、「③消費税率を10%に引き上げた際の1%分の税収」、を挙げている。
ふだん、国の借金を増やすなと言っているのに、ここでは国債発行と堂々と言っている。配偶者控除の廃止は実質的には増税だ。一番驚くのは消費税の10%への引き上げを前提としていることだ。
まあ、民進党が政権を獲ることはないだろうから、ふんふんと聞いておく。
自民党はどうか。
一つは「教育国債」を発行するという案。もう一つは最近出てきたもので、小泉進次郎議員など若手が主張する「こども保険」という案。
「こども保険」というと、何か目新しく聞こえるが、名前を変えた税金だ。
保険というのは、偶然に発生する事象に備えて多数の人が保険料を出し、事象に遭遇した人に保険金を給付するシステムだ。自動車保険を考えれば分かる。
これに当てはめると、「こども保険」は、偶然に子供ができてしまったときに備えて多数の人が保険料を出し、子供ができてしまった人に保険金を給付するということになる。
だとすれば、私など60歳を過ぎた者は、子供ができて保険金をもらう可能性は限りなくゼロに近いので保険料を払う意味はない。「オレは入らんぞ」となる。
要するに、提言された「こども保険」は、本来の意味での保険システムではない。会社や社員が支払う厚生年金保険料の利率に0.1%ずつ上乗せし、将来的に0.5%にすることで、就学前教育の無償化につなげるプランだ。税金と言うと聞こえが悪いので、保険という名で徴収しようということだ。だから結局は税金と一緒。
こういう騙しのテクニックを使わず、財源は国債にするか税金にするかを正面から議論したほうがいい。
最後に私の考え。
子育てや教育を人への投資と考えれば、税金より国債発行が適している。ただ、将来的に税金で補完するという道も残しておいたほうがいい。新税を創設したり、既存の税率を上げなくても、景気の好転により税収が増えるという可能性も残されているからだ。
もう少し勉強しようと思うが、今はこんなところだ。