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休み明け、生徒の小さな変化を見逃さない

 新学年・新学期のドタバタがやっと落ち着いたかと思ったところでGW。
 連休中、生徒は部活一筋か、遊び呆けていたかのどっちかで、勉強なんてやってるはずがないが、まあいいだろう。
 とりあえずクラス全員の顔がそろっていれば一安心。

 「いつまでも連休ボケやってる場合じゃないぞ。直に中間考査だ。分かってるんだろうな」とか言いながら、ざっと教室を見渡す。
 生徒と目が合う。
 こいつも平常、こいつも心配なしと、さりげなく観察していると、ほんの一瞬目をそらすやつがいる。おいおい、目を合わせろよ。分かったよ、何か言いたいんだな。じゃ、後でおいで。

 こういうのは分かりやすい。
 無言のコミュニケーションだけど、生徒の方からサイン出しちゃってるから、それを受け止めてやればいい。大事には至らない。

 困るのは、問題をかかえつつも何の素振りも見せないやつ。楽しそうに笑っているやつ。高校生くらいになると、このくらいの芸当はやってのけるから面倒だ。
 でも、何かある。職業的な勘がそう教えている。
 どこかにサインが隠されているはずだが、それがよく分からない。頭髪とか服装とか、そんな分かりやすいものじゃなくて、もっと他のところに。

 さて、どうする。
 とりあえず、まったく別の生徒に用事を作って「後で、ちょっと職員室来てくれる」と言う。その生徒に、「悪いけど、○○に来るように言ってくれ」と頼む。
 
 でも、弱ったな。何話せばいいんだ。いきなり、「おまえ、何かあるだろう」と聞いたって答えるはずがない。それじゃ、逆効果だ。
 よし、何でもいいから、呼んだ理由を作ろう。「この間出してもらった書類に不備があった」とか、もっともらしい理由を。

 来たらどうする。
 用事が済んだら、世間話でもするか。ここはまだ踏み込むタイミングじゃない。接点を増やすことだ。会話を増やすことだ。
 生徒だって馬鹿じゃないから、ろくでもない理由で呼ばれたことで、何かを感じ取っているはずだ。そのうち、向こうから何か言ってくるだろう。それまで待ちだ。

 なんてことを日々やっている先生方、ご苦労様。
 気力・体力の衰えた私には到底できない仕事であるから、陰ながら応援するしかない。

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まさにこれを毎日繰り返しています。
勉強に急に集中できない理由は、基本的に勉強以外のところにあると思います。だからこそ、その“何か”を見つけてあげること、それがこの仕事の最も大切で、大変で、でもやりがいのあるところだと思っています。
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梅野弘之

Author:梅野弘之
受験生・保護者の皆さん、学校や塾の先生方に最新情報をお届けします。ただし、結構頻繁に受験と無関係の話も。

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