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大学無償化は必要ない

 大学は無償化しなくてもいいんじゃないか。

 幼児教育の無償化。これはまあ、いいと思う。
 小中はもともと無償。
 あとは私立中学校をどうするかだが、憲法では義務教育は無償とするとあるから私立も無償にすべきだという意見もある。ただ、無償の公立が人数分だけ用意されている中で、あえて選ぶのだから、有償もやむを得ないのかなと思う。

 高校は、ほぼ全員が進学するところだから、これも原則無償でいいだろう。
 だが、中には、うんとバカ高い学費をとって特別な教育をしたいという私立もあるだろうし、そういう教育を受けたいというニーズもあるだろうから、そこは自腹を切ってもらおう。

 さて、大学である。
 別に全員が行かなくたっていい。
 家が貧しくて大学に行けない。これは可哀そうだから何とかしたほうがいい。であれば、給付型奨学金(返さなくていい奨学金)で十分だ。
 学ぶ意欲があって、一定の学力がある子が、無償で大学に行けるようにすればいい。

 文科省の試算では、大学無償化に必要な予算は年間3兆円ぐらいだそうだが、これは、小中学校レベルの数学(算数)や国語を教えている大学まで無償化した場合だ。

 無償化してもリターンがある。元が取れる。
 というのが無償化政策の出発点あるいは根拠だと思う。
 大学でしっかり勉強して社会に出てくれれば、本人にとってもプラスだが、国全体としても将来的にはプラスになる。それはそうだろう。
 だが、学力が追いつかないうえに、遊びだけに夢中な連中の分まで面倒みたって、後々のリターンは全然期待できないからね。金をドブに捨てるようなもんだ。

 高卒で社会に出た子からすれば、自分の払った税金が、やる気のない大学生の学費に使われるなんて、アホらしくてやってらんねんよということになる。

 憲法に明記するかどうかなんて話は、間をすっ飛ばした乱暴な議論だ。

 もろもろ含めて大学自身の改革が先だ。
 入試の話もそうだ。
 大学入試改革を通じて、高校の教育内容を変える?
 冗談言っちゃいけないよ。
 やれアクティブラーニングだ、やれ論理的思考だ表現力だ、英語の4技能だ、って、今頃気がついたのかよ。小中高はとっくにやってるよ。

 今の日本の大学が、全体として税金をどかんとつぎ込むのにふさわしい教育機関になっているかという議論をもっとしなくてはいけないな。それ無しに、いきなり無償化の話を持ち出されても困る。

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受験生・保護者の皆さん、学校や塾の先生方に最新情報をお届けします。ただし、結構頻繁に受験と無関係の話も。

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