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ムーミン問題が示唆するものは何か

 阪大黙ってろ!
 
 センター試験地理Bのムーミン問題である。
 人気アニメ・ムーミンがからんでいるので、普段は入試問題などに関心のない人々も巻き込んで、ちょっとした騒ぎになっている。
 そんな中、大阪大学大学院言語文化研究科スウェーデン語研究室というところが、当該の2つのアニメからは国名が特定できないはずとイチャモンをつけている。
 つい最近、出題ミスが発覚し1年遅れの追加合格を出す羽目になり、続いてセンター当日には、試験監督が居眠りをするなどお騒がせの最中に、よりによって試験問題にツッコミを入れるとはね。タイミング悪過ぎ。少し黙ってろよ。

 で、この問題だが、別にムーミンを知らなくても、また、ムーミンの出身地を知らなくても最適解は求められる。
 ごく大雑把に言えば、「バイキング」という語句から外洋に接したノルウェーを導き、残ったムーミンをフィンランドと特定する。言語を選ぶのは、語族の知識があれば一発だが、スウェーデンと、より長い国境を接しているノルウェー語の方が、スウェーデン語に近かろうという判断できれば、アニメと言語の組み合わせ導けるのである。

 私立入試目前で、そんな場合ではないと思うが、塾の先生はぜひ中学生に解かせてみてほしい。与える知識は、「バイキング」とはお昼の番組でもなく、料理でもなく、北欧の海賊なのだという一点でいいだろう。あとは、考えれば解ける。

 大学入試改革が進むこれからは、こうした問題がますます増えるだろう。アニメの問題じゃないよ。知識だけに依らず、考えて答えを導く問題、思考力・判断力を問う問題。

 ムーミンを使ったことで話題が広がり、それで各方面からいろいろツッコミが入ったわけだが、別にムーミンを使わなくたって、同趣旨の問題は作れただろう。それは今後の課題だ。

 さてそこで再び阪大だが、日本全国の大学関係者は、これからの大学入試をどう変えようかと必死で考えているところだろう。知識偏重を変えようとしてるんだろう。
 だったら、『ムーミン谷』は架空の場所で、フィンランドが舞台だと明示されてないとか、ビッケと愉快な仲間たちが住んでいるフラーケ村はノルウェーだとは明示されてないとか、細かいツッコミを入れてないで、一緒になってこれからの問題のあり方を考えてもらいたいね。

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受験生・保護者の皆さん、学校や塾の先生方に最新情報をお届けします。ただし、結構頻繁に受験と無関係の話も。

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