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「あってはならない」は聞き飽きた

 今度は京都大学の入試問題ミスが発覚。
 本来なら合格だった17人が不合格になっていたという。

 落ちて浪人した人、他の私立大学などに行った人にはお気の毒なことだ。

 報道によると、事前に11回もチェックしたそうだが、正直思ったのは、「そんなに回数やるからだろ」ということだ。
 大勢でやりました。何回もやりました。だから、ミスは、作成やチェックに関わったみんなの責任です。
 このあたり、いかにも役人的発想という気がするな。
 
 11回もやれば、「そのうち発見できるさ」という気分にもなるだろう。大勢でやれば「誰かが見つけてくれるだろう」と、気を許すこともあるだろう。
 再発防止のために、さらにチェック回数や人数を増やすのは逆効果だから、どっちも減らして、「間違えたらオマエの責任な」と、人数を絞る方が有効である。

 出題や採点でミスを出さない方法を考えるのは大事だが、それでも人間だからどこかでミスが出る。ならばと機械にやらせてみたら、やつらは故障する。

 とすれば、ミスが出ることを前提として、その場合の対応を決めておくことが重要になる。ミスが発覚してから、「さあ、どうしよう」ではなく、「おっと、出たか」と迅速に対応できる方法や体制を決めておく。

 これからの入試は、記述が増えるわけだし、採点ミスとは言わないまでも、採点上の疑義はますます増えてくることが予想される。知識だけでなく、「思考力・判断力・表現力」を試す問題を実施しようとすれば、「これも正解じゃないの」みたいな意見がいろいろ出てくるだろう。

 「あってはならないこと」なんてのは聞き飽きたから、もういいよ。「あってはならない」というのは気持ちや心構え、もしかしたら願望の話であって、実際には「ある」んだよ。
 あったその時にどうするか。そこをもっと考えよう。

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受験生・保護者の皆さん、学校や塾の先生方に最新情報をお届けします。ただし、結構頻繁に受験と無関係の話も。

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