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再び、「母よ、自立せよ」

 かれこれ20年前、「母よ、自立せよ」というコラムを書いた。教育関係の新聞に載ったのでどこかにあるはずだと探したが見つからない。

 「嘆きつつ ひとり寝る夜の 明くる間は いかに久しき ものとかは知る」
 これは百人一首にもある右大将道綱母(うだいしょうみちつなのはは)の作。その姪にあたるのが「更級日記」の作者・菅原孝標女(すがわらたかすえのむすめ)。

 名前どうした。
 あっ、そうか。1000年前、平安時代じゃ仕方ないか。でも、現代でも結構いるぞ、「〇〇さんの奥さん」、「〇〇ちゃんのお母さん」としか呼ばれない人。

 ある一時期は止むを得ないとしても、子供が中学を卒業したら、子供が高校を卒業したら、そろそろ「〇〇ちゃんのお母さん」は卒業しようじゃないか。自立が必要なのは子供だけじゃない。「母よ、自立せよ」、自立した一個の人間として、明日からの人生を生きようではないか。

 まあ、だいたいこんな話だったか。

 専門知識がないので自信はないが、たぶん「子の親離れ」はビルトインされている。生まれた時からビルトイン(内蔵)されているから、時期が来れば自然にそっちに向かう。だが、「親の子離れ」はビルトインされていないから、意識して努力しないと出来ない。
ついでに言えば、親が子の面倒を見ることはビルトインされているが、子が親の面倒を見ることはビルトインされていないから努力が必要。

 部活の応援楽しかった。運動会での活躍嬉しかった。いい学校に受かって誇らしかった。「〇〇ちゃんのお母さん」でいいのはここまで。
 その先の就職や結婚や仕事は、親のものじゃない。自立した一個の人間に成長した子のものだ。余計な口出しすんな。まとわりつくな。
 その分の時間とエネルギーを自分の人生に回そうよ。

 そうは言っても、大学出るまでは、まだまだお金もかかるし。
 そうそう、子の経済的自立はもう少し先の話だ。でも、いま言っているのは精神的自立の話だから。

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受験生・保護者の皆さん、学校や塾の先生方に最新情報をお届けします。ただし、結構頻繁に受験と無関係の話も。

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