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人間は生きていること、ただそれだけで意味がある

 私はあと2か月で67歳になる。
 この年になると年がら年中、死について考えるようになる。
 若い連中は、「私だって考えますよ」と言うが、たまにだろう。こっちは日課だ。

 で、一つの結論は、「人間は生きていること、ただそれだけで意味がある」ということだ。

 このことは実に簡単な事実で論証することができる。
 なぜ医者が必要とされるか。存在するだけでなく社会的評価が高く、尊敬されるか。
 生きる手助けをするからである。

 怪我や病気は治らなくてもいい。障害があったら生きる意味がない。ボケたら死ね。寝たきりなら死んだ方がましと言うなら、医療など成立しない。医者は必要ない。
 だが、そうではなく「人間は生きていること、ただそれだけで意味がある」という存在であるから、その実現に奉仕する医療行為や医者という職業が必要なのだ。

 儲かるから医者になるとか、安定してるから医者になるとかほざいているやつによく言っといてくれ。病気や怪我や障害で働けず、ただ生きてるだけの人はこの世で存在する意味がないというなら医者も消滅するってことをだ。

 でも、人間の尊厳というものがあるでしょう。ただ生きてるだけじゃ他の動物と同じじゃないですか?
 ごもっともだ。
 だから、われわれは一生懸命、社会保障や福祉の制度を充実させようと努力してるじゃないか。これも生きてるってことがいかに大事かという論証になるんじゃないか。

 以前にこのブログで、大の大人が軽々しく「死ね」なんて言葉を使うんじゃないという話を書いた。「日本死ね」とか「安倍死ね」なんて言ってるやつに、「オッパイ触らせて」を批判する資格はねえぞ。弱者の味方のふりしやがって。

 話が横道にそれた。

 最後にわが社のスタッフ(社員)の話をしておこう。
 一人は障害者手帳持ってる。だから在宅勤務。もう一人は片目が不自由だけどビデオカメラ回してる。
 別に私は、いい人と思われたくて給料払ってるわけじゃない。わが社にそんな余裕はない。
 かれらは生きてるだけどころか、十分な働きをしてくれているわけだが、それ以上に、私に生きる意味や、働く意味を教えてくれた。

 病気や怪我で働けなくなったら困るなと思うが、それは運命として受け入れるしかない。ただ、死ぬまで生きることは止めないぞ。だって、「人間は生きていること、ただそれだけで意味がある」のだから。

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人はときどき、生きている意味を問いたくなるものですが、そんなときに梅野先生のおっしゃる「人間は生きていること、ただそれだけで意味がある」という言葉は多くの人に響くのではないかなと思います。

仕事柄、いろんな悩みを抱えた生徒さんに当たりますが、「人間は生きていること、ただそれだけで意味がある」ということを自分が体現できる先生になれたら、そんなことをふと思いました。
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梅野弘之

Author:梅野弘之
受験生・保護者の皆さん、学校や塾の先生方に最新情報をお届けします。ただし、結構頻繁に受験と無関係の話も。

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