専門学科シリーズ①「介護のプロ育てる誠和福祉高校」
毎年5月恒例の専門学科を訪ねるシリーズ。
(詳細は「よみうり進学メディア6月号]に掲載予定)
昨日の訪問校は誠和福祉高校(羽生市)。県内唯一の福祉科を擁する学校だ。
→誠和福祉高校のサイトへ
30年度募集では、福祉科が80人定員に対し受験者61人、総合学科が120人定員に対し受験者105人と、苦戦を強いられている。
今回、この学校を訪問することになったのには、あるきっかけがあった。
昨年11月のことだ。大宮ソニックで産業教育フェアという専門学科を紹介するイベントが開かれ、私はそれを見に行った(その模様は本ブログでも紹介した)。
→産業教育フェアを見に行った(2017年11月12日付)
その際、何気なく展示を見ていた私に、「ご説明しましょうか」と声をかけてきた女子生徒がいた。
「有難いけど、こんな爺さんでいいのかな、中学生とかに声をかけたほうがいいかもしれないよ」と内心思ったが、せっかくだから説明を受けることにした。
実に見事だった。こんな言い方をしては申し訳ないが、その説明ぶりは、そこらの先生方より数段上であった。学校愛にあふれていた。福祉という仕事に対する誇りと情熱が感じられた。
私はいつかこの情熱に応えなければならないと思ったのだが、その機会は意外に早くやってきた。それが今回の訪問だった。
前置きが長くなった。
介護福祉士は国家資格である。
同校福祉科は2年次から、資格取得をめざす「介護福祉コース」と、福祉系への進学をめざす「福祉進学コース」に分かれる。
今年は「介護福祉コース」を卒業した37人全員が国家試験に合格した。これで2年連続の全員合格だ。同試験の全国平均合格率は70.8%というから立派なことだ。
ただし、そのための専門科目履修や実習があるため、週2日は7限まで授業がある。ただただ楽しい高校生ライフを満喫するというわけには行かないので、相応の覚悟は必要だ。
施設を見学した。
知識がないので、どれくらい最新で高性能な施設設備なのか分からないが、実習用の介護浴槽一つとっても数百万から1000万円くらいするという話を聞いたことがあるから、学校全体ではかなりの額の投資がなされているのだろう。公立だから可能な教育環境だ。

専門科目の授業を見た。
指導は実践的である。細かく具体的である。
全体としては和やかな雰囲気と言えるが、弛みはない。生徒は先生の一言一言を聞き逃すまいと耳をそばだてる。一挙手一投足を見逃すまいと目をこらす。独特の緊張感が教室を覆う。
かれらは、高校を出るや否や要介護者と向き合わなければならない。それが分かっているから授業は常に真剣勝負の場となる。

一人でも多くの中学生が、この道を志してくれると嬉しい。
行きは同校北門から入り、帰りは南門から出たが、どうやらこちらは加須市のようだ。校内に川が流れていたので、そこが羽生市と加須市の境界らしい。

(詳細は「よみうり進学メディア6月号]に掲載予定)
昨日の訪問校は誠和福祉高校(羽生市)。県内唯一の福祉科を擁する学校だ。
→誠和福祉高校のサイトへ
30年度募集では、福祉科が80人定員に対し受験者61人、総合学科が120人定員に対し受験者105人と、苦戦を強いられている。
今回、この学校を訪問することになったのには、あるきっかけがあった。
昨年11月のことだ。大宮ソニックで産業教育フェアという専門学科を紹介するイベントが開かれ、私はそれを見に行った(その模様は本ブログでも紹介した)。
→産業教育フェアを見に行った(2017年11月12日付)
その際、何気なく展示を見ていた私に、「ご説明しましょうか」と声をかけてきた女子生徒がいた。
「有難いけど、こんな爺さんでいいのかな、中学生とかに声をかけたほうがいいかもしれないよ」と内心思ったが、せっかくだから説明を受けることにした。
実に見事だった。こんな言い方をしては申し訳ないが、その説明ぶりは、そこらの先生方より数段上であった。学校愛にあふれていた。福祉という仕事に対する誇りと情熱が感じられた。
私はいつかこの情熱に応えなければならないと思ったのだが、その機会は意外に早くやってきた。それが今回の訪問だった。
前置きが長くなった。
介護福祉士は国家資格である。
同校福祉科は2年次から、資格取得をめざす「介護福祉コース」と、福祉系への進学をめざす「福祉進学コース」に分かれる。
今年は「介護福祉コース」を卒業した37人全員が国家試験に合格した。これで2年連続の全員合格だ。同試験の全国平均合格率は70.8%というから立派なことだ。
ただし、そのための専門科目履修や実習があるため、週2日は7限まで授業がある。ただただ楽しい高校生ライフを満喫するというわけには行かないので、相応の覚悟は必要だ。
施設を見学した。
知識がないので、どれくらい最新で高性能な施設設備なのか分からないが、実習用の介護浴槽一つとっても数百万から1000万円くらいするという話を聞いたことがあるから、学校全体ではかなりの額の投資がなされているのだろう。公立だから可能な教育環境だ。

専門科目の授業を見た。
指導は実践的である。細かく具体的である。
全体としては和やかな雰囲気と言えるが、弛みはない。生徒は先生の一言一言を聞き逃すまいと耳をそばだてる。一挙手一投足を見逃すまいと目をこらす。独特の緊張感が教室を覆う。
かれらは、高校を出るや否や要介護者と向き合わなければならない。それが分かっているから授業は常に真剣勝負の場となる。

一人でも多くの中学生が、この道を志してくれると嬉しい。
行きは同校北門から入り、帰りは南門から出たが、どうやらこちらは加須市のようだ。校内に川が流れていたので、そこが羽生市と加須市の境界らしい。
