やっぱり「白河の関」は越えられなかったか
高校受験生の皆さん、ちょっとした地理と歴史のお勉強ですよ。
今日の高校野球、前評判どおりの強さを発揮した大阪桐蔭が春夏連覇。
金足農業(秋田)は敗れ、「悲願の『白河越え』ならず」。
で、この「白河越え」なんだが、分かるかな。
石川さゆりの「天城越え」とは関係ないぞ。って、そっちの方が分かんないか。
白河は現在の福島県白河市。
奈良平安の昔、ここに「白河の関」というのがあって、ここから先が「みちのく」、つまり東北地方。
というわけで、東北6県のチームが優勝することを、「優勝旗が『白河の関』を越える」と言ったりする。
平安時代の歌人・能因法師の「都をば霞とともに立ちしかど秋風ぞ吹く白河の関」という和歌で有名。
能因法師には「嵐吹く三室の山のもみぢ葉は竜田の川の錦なりけり」もあるが、これは百人一首にもあるから知ってるね。
北海道のチームが優勝するとどうなるの?
この場合は、本州と北海道の間に海峡があるだろう。そう、津軽海峡。
あの「津軽海峡冬景色」の津軽だよ。って、また石川さゆりか。
というわけで「優勝旗が津軽海峡を渡る」だが、これは駒大苫小牧が果たしている。
海峡ついでに九州のチームが優勝すると「関門海峡を渡る」だ。
「関門」の「関」は馬関(現在の下関)、「門」は北九州の門司。読めるかな「門司(もじ)」。
四国や沖縄の場合はどうか。
四国は特に聞いたことがない。渡り方がいっぱいあるから一つに決められない。沖縄の場合は、「南の海を渡る」という表現を見かけたことがあるが、決まり文句というほどではない。
最後に関東だが、これは「箱根の山を越える」だね。
江戸時代に関所があった。現在は復元され観光名所の一つになっている。
昔は関西勢が圧倒的に強かったので、悲願の箱根越えだったが、近年は関東勢も強く、去年の花咲徳栄も含め、何度も越えているので、いちいち言わなくなった。
と、こんなことを考えながら決勝戦を見ていた。

花咲徳栄が1年間大事に保管していた先代の優勝旗