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大人になって「お客様は神様」だと勘違いしないために

 生徒や親は「お客様」じゃないぞ。
 と言いたいところだが、この問題はなかなか難しい。

 学校や先生が教育サービスを提供する側とすれば、生徒及び親はそのサービスを受け取る側になるから、「消費者」すなわち「お客様」ということになる。
 通常、モノやサービスを購入する際は、対価(お金)を支払うが、学校教育の場合、公立においてはその大半を公費(税金)で賄っており、私立にも相当額の公費(税金)が投入されている。
 このあたりが通常の買い物などとは違うのだが、サービスを受け取る側であるのは確かなので、とりあえず「お客様」であるとして話を進めよう。

 では、サービスの買い手である「お客様」は、売り手である企業やお店より偉いのか、「お客様」は神様なのかということだが、これはイーブンの関係である。対等である。
 どうも、この辺りを理解できてないというか、勘違いしている人が増えているようで、その極端なケースがいわゆるモンスターペアレンツというやつだ。

 そういう人は、どこに行っても誰に対しても、「こっちは金払ってるんだからな」と威張り散らしているのだろう。
 私が寿司屋の店主かなんかで、こんなことを言われたら、「文句あんならテメエで海行って魚釣って来やがれ。1年かけてコメ作ってみろ」とでも言いそうだ。
 
 「こっちは金払ってるんだからな」の人がなぜ出現するか。
 ひとつ想像するのは、その人が勤め先で上司や社長から「こっちは給料払ってるんだからな」の扱いを受けている可能性だ。本来ならそこで、「ふざけんな、こっちも汗水たらして働いてるんだ。ただ給料もらってるわけじゃねえ」と言い返したいところだが、それが出来ないので、スーパーやファミレスや居酒屋でその憂さを晴らしている。
 まあ、可哀想な人。

 もう一つは、「こっちは金払ってるんだからな」の人は、貨幣の機能について、ちゃんと習って来なかった可能性。
 貨幣には3つの機能があって、一つは交換機能、あとの二つが価値尺度機能と価値保存機能。
 基本的にお店でお金を払う場合、交換機能を果たしている。大昔だったら、魚を食わしてもらったら、肉を食わしてやらなければならないところだが、今はそれを貨幣で代替している。本来、人と人とは、相手が何かしてくれたら、こっちも何かしてあげなくてはいけない。そういう関係なのだと習って来なかった。
 どっちにしても可哀想な人。

 大人になってからでは手遅れなので、子供のうちから、そういう世の中の仕組みを正しく教えておこう。

 梅野弘之の先生応援ブログ・動画版(2018年12月7日)

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受験生・保護者の皆さん、学校や塾の先生方に最新情報をお届けします。ただし、結構頻繁に受験と無関係の話も。

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