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学校に人事部がないのはなぜだ

 突然だが、昌平高校(中高一貫)の話である。
 埼玉県以外の方に説明しておくと、いま埼玉県の私立の中でもっとも勢いのある学校はと問えば、10人中8、9人はこの学校の名を挙げると思われる学校だ。

 部活の強化を図っており、今冬も女子バスケットと女子駅伝が全国出場を果たしている。ラグビーと、3年連続でJリーガーを輩出しているサッカーは惜しかった。男子バスケ、男子バレー、陸上、テニスなど強豪部活が目白押しだ。近く野球も台頭してくるだろう。

 学業の方でも、数こそ少ないが4年連続東大に合格者を出すなど急成長。中学校はすでにIB(国際バカロレア)認定校になっており、高校の方も次年度からIBコースを開設する。
 詳しくは同校ホームページで確認してもらおう。
 昌平中学高校ホームページへ

 と、えらく持ち上げているが、この学校、私にとって顧客(お客様)ではない。春日部共栄・花咲徳栄・獨協埼玉・開智未来・叡明といった埼玉県東部地区の私立からは、いずれも仕事をもらったり、広告をもらったりしているが(そういう商売なので)、この学校だけはそのような関係がない。

 事情を知っている人からは、「その割に、年中昌平に顔を出しているではないか」と言われるが、それは、まだ50代半ばの城川雅士校長には、行く行くは埼玉県私立界を背負うリーダーになってもらいたいと願っているからだ。「先生応援」を使命と決めている私は、ビジネス上の顧客ではないが、埼玉県私立界の将来を思い個人的には応援するのである。

 同校が部活や進学で急成長を遂げているのは、優秀な生徒・選手を集めたから。そう、その通りだが、それは原因であり結果でもある。優れた先生・指導者を招いたから、そこに優秀な生徒や選手が集まった。先にやったのは先生・指導者を招くこと。
 つまり、昌平高校は「招聘高校」である
 と、このギャグを言いたくて、長い前置きを書いた。

 私は、しばしば言っている。
 「教育は人なり」、すなわち「教育は先生次第」と言っているくせに、人事部がないのはなぜだ。生徒募集や広報にかける熱意に比べると、あまりにも成り行き任せではないか。もっと採用に力を入れたほうがいい。

 AI時代になったら、ロボット獲得競争になるの?
 そうじゃないね。どこまで行っても、企業間の競争は人間の競争であり、その前提となる人材獲得競争。決まってるでしょう。
 学校の最大のリソース(経営資源)は先生なんだから、先生獲得競争に勝利した学校が強いのは当たり前ってこと。

 少子化はなにも生徒募集だけに影響するわけではない。人材募集にも影響する。少ない若年労働者を各業界で奪い合うのだ。
 教育界に必要なのは、人員確保ではなく人材確保である。
 敵は他校ではない。他業種・他業界である。
 生徒募集と人材募集を両輪で回して行かなければならない。

 今日の動画「合理化になじむ仕事なじまない仕事」

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受験生・保護者の皆さん、学校や塾の先生方に最新情報をお届けします。ただし、結構頻繁に受験と無関係の話も。

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