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中学受験組が大学受験でも強い理由を考えてみる

 昨日から都内私立中学校入試が始まった。
 連戦になる受験生も多いだろう。最近は午後入試が一般化しており、午前にA校、午後にB校と一日に2校受験する子も多い。

 中高一貫校(中等教育学校含む)が、大学進学実績を伸ばしているのは周知の事実だ。
 5年間で中高6年分の学習を終わらせ、最後の1年は大学受験勉強に集中できる体制を取っている場合が多く、これが好成績の理由の一つと考えられる。

 しかし、理由はこれだけではないだろう。

 中学受験は、基本的に学力試験一発勝負。つまり「ガチな入試」である。「すべり止め」さえ、試験を受けて自力で確保しなければならない。
 こういう真剣勝負を小学生の時代に経験しているのが中学受験組の強みと言えるのではないか。
 これに比べたら、高校受験の何とのどかなことか。

 中学受験組は、小学校では少数派である。無邪気に遊びに興じている同級生を横目にみながら、4年生・5年生あたりから、せっせと塾通い・模試受験を続ける。長期戦なのだ。メンタルの戦いなのだ。
 対して、高校受験なんてものは中3になってから、それも夏休みを過ぎたあたりからの短期決戦だ。周りもみんなやっている。みんなで頑張ろうぜの集団戦だ。

 中学受験組は膨大な知識を持っている。
 埼玉の公立入試(社会)で、都道府県名や海洋・山脈を問うような問題が出ているが、かれらにとって、こんなものは基本の「キ」以前の問題だ。「キ」の前だから「カ」かな。
 分数の計算や、割合の計算を間違うような子はいないからね。最近は、英語をやっている子も相当数いる。

 別にみんながみんな中学受験をしろとは言っているわけではない。
 ただ、公立高校や、私立の高校単独校の先生方には、大学受験では、厳しい中学受験を乗り越えてきた中高一貫組と、ユルユルの受験しか経験してきていない高校入学組との戦いになるのだということは、考えておいてもらいたい。

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県立高校の先生方もそれはご存知だからか、授業の進度にしろ、課題やテストの難易度や量にしろ、なかなかのものです。公立中学から難関国私立受験などを経験せずに入学してくる多くの生徒は、これまでとのギャップに、いきなりプライドをへし折られることになるのですが。
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受験生・保護者の皆さん、学校や塾の先生方に最新情報をお届けします。ただし、結構頻繁に受験と無関係の話も。

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