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埼玉県公立入試問題、大筋例年通りだが変化の兆しも

 埼玉県公立入試・学力検査終了。
 と言いたいところだが、学校によっては明日、実技検査や面接があるから、大きなヤマは越えたが、まだ終わっていない。

 出題傾向は変わったか?

 大筋では変わっていない。
 しかし、これは当たり前のことで、急に変えてはいけないのだ。そんなことをしたら真面目に勉強してきた受験生を裏切ることになる。繰り返し言っているように、出題者には「受験生の裏をかく」という発想はない。だから、「出るぞ、出るぞ」と言われていた問題は、やっぱり出ている。

 だが一方、わずかながら変化を見せている部分もある。
 たとえば、国語の大問2問4などは、難問とは言えないが、これからの方向性を暗示するような新しいスタイルの問題だった。私は、この問題を見た瞬間、新大学入試の試行問題を思い出した。当ブログの読者諸氏なら先刻ご承知のはずだが、第1回目の試行問題などは「これが国語の問題なのか」と一瞬目を疑うような問題だった。漢字と語句と文法と四字熟語でササっと終わるはずの大問2の中に、1ページに及ぶ問題文を読み取らないと解けない問題が登場したことは注目に値する。

 理科では、計算問題に付随して「計算の過程や考え方も書きなさい」という問題があった。この手の問題が出されたのは初めてではないが、今回は2題という点に注目だ。また、昨年は17問あった「ア・イ・ウ・エ」など記号で解答する問題が、今年は10問に減っている。事前に発表された出題方針の中に「思考力・判断力・表現力等の能力をみる問題の出題に配慮する」とあるので、これで結構なのだが、そうは言っても知識中心の出題に傾きがちだった実際の出題が、今後は変わって行くだろうと予感させる今年の問題だった。

 他の3教科の中にも、1問か2問ずつだが、「この出し方、この問い方は今までなかったね」という問題が含まれていた。
 もちろん、こうした傾向は、高校進学後の学習や先々の大学受験を考えれば好ましいことだと思うので、私は歓迎する。

 採点ミスに端を発しAIでも採点可能なマークシート方式(イコール記号選択)に流れて行った関所の向こうの「東京様」と対照的に、「考えさせ、書かせる問題」を増やそうとしている「翔んで埼玉」。進んでいるのはどっちだ。

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受験生・保護者の皆さん、学校や塾の先生方に最新情報をお届けします。ただし、結構頻繁に受験と無関係の話も。

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