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3月11日だから考えたこと

 「防災の日はいつですか?」という質問に、かなりの人が3月11日と答える。
 そんな話を聞いたことがある。

 正解は9月1日。1923年のこの日、関東大震災があった。
 関東大震災は、1951年生まれの私はもとより、1925年生まれの母親でさえ生まれる前の出来事だ。
 ただ、周りの大人の中にはそれを知る人々が大勢いたので話を聞かされたが、その人々も、いまや90代後半だ。関東大震災をリアルに語れる人は、あと数年でいなくなる。

 そう考えると、防災を考える日、防災意識を高める日ということなら、3月11日というのも案外ありなのではないかと思う。
 もっとも、何何の日と指定されようがされまいが、亡くなられた方々のご冥福を祈り、復興を支援し、災害について改めて考える日にするというのが正しい姿なのだろう。

 天災の多くは人災だとも言われる。
 地震そのものを防ぐことはできなくても、被害を最小限に食い止めることはできそうだ。
 必要以上に恐怖心を煽るべきではないが、正しい知識を与え、必要な準備や適切な行動ができる人間に育てることは、教育の大事な役割であろう。

 死者を悼むこと。ボランティア活動なども含め物心両面から復興を支援すること。普段から水や食料を備蓄すること。これらは家庭でも教えられそうだ。

 学校に期待されているのは、正しい科学的な知識を持たせること。
 地震そのものだけでなく、電気・ガス・水道などライフラインの仕組み、交通や通信の仕組み、人間の健康や心理等々。

 知識が命を守る助けになるかもしれない。たぶん、なるだろう。
 パニックを防げるかもしれない。二次災害を拡大させずに済むかもしれない。

 今日この日は、ただただ黙とうを捧げる日であってはならない。
 そんなことを考えた一日だった。

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小学校

図書室に毎年この時期、震災関連の小さな展示コーナーを作ります。もし災害が起きたら72時間で何が出来るか書かれた本、釜石の小学生の地震後の行動について書かれた本、ふくしまからきた子をテーマに描かれた絵本など。。
展示コーナーを作ると、机の上に表紙を見せて置くだけでも、図書室にきた子が足を止めて本を手に取ってくれます。

今年の小学6年生に当時のことを覚えているかたずねたら、記憶にない子ばかりでした。そうか、たった4歳だったのか。1年生に至っては震災後生まれなんだ。。。と改めて8年という時の流れを感じました。
小学生が震災を知って、将来語り継げるようにするには家や学校でも周りの大人が責任を持って働きかけつづけることが大切だと感じました。
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梅野弘之

Author:梅野弘之
受験生・保護者の皆さん、学校や塾の先生方に最新情報をお届けします。ただし、結構頻繁に受験と無関係の話も。

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