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今は「登校拒否」じゃなく「不登校」って言うんだよ

 立憲民主党の枝野幸男代表が、予算委集中審議に否定的な与党に対して「堂々と審議拒否している。登校拒否みたいだ」と批判したところ、ツイッターで不適切な表現との指摘を受け、謝罪し訂正した。

 まあ、不適切と認めたんだったらいいだろう。言い間違いは誰にでもある。辞任しろとか任命責任とか言わない。

 枝野幸男代表(54)。栃木出身だが選挙区は埼玉5区だ。私より一回り以上下だが、「登校拒否」ってところが、やはり昭和の人だ
 待てよ、昭和の人という言い方は元号による差別だったか?
 訂正→20世紀の人

 私は教員としては「登校拒否」という言葉しか使ったことがない。
 学校嫌だ、行きたくねえ~。
 つまり、来られるクセに来ないやつという意味で「登校拒否」。

 ところがその後、いろいろ調べているうちに、行きたいのに行けない子もいるんじゃないかということになって、「不登校」と呼ぶことになったようだ。
 文部科学省の定義によれば、「不登校」とは「なんらかの心理的、情緒的、身体的あるいは社会的要因、背景により登校しない、あるいは登校したくともできない状態にある年間30日以上欠席した児童のうち病気や経済的理由によるものを除いた者」である。

 こういう言葉の言い換えは、学校でも、それ以外の社会でもよくあることだ。
 昔は「父兄」と言っていたが、今は「保護者」と言う、みたいな…
 良い面もある。
 昔は平気で「処女作」なんて言っていたが、「デビュー作」の方が感じがいいじゃないか。
 保母が保育士、看護婦が看護師となるのは、実態に合わせたものだ。

 「登校拒否」を「不登校」に変えたからといって、それだけで問題が解決するわけじゃないのは誰しも分かっていることだが、私自身のことで言えば、「登校拒否」と言っていた時代は、「この野郎、つべこべ言わずに来い」だったが、「不登校」と言うようになってから、背景や理由にも考えが及ぶようになった。
 「不」という表現も、不正、不毛、不信、不仲、不義、不倫と、決して良い意味ではないのだが、「登校拒否」という形で、本人にだけ原因を求めるよりはましだろう。

 というわけだから、枝野君。「登校拒否、けしからん」というような言い方は止めにしよう。
 それとも教育には関心がない? まさか。

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受験生・保護者の皆さん、学校や塾の先生方に最新情報をお届けします。ただし、結構頻繁に受験と無関係の話も。

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