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全国学力テスト、学校別の成績なんか公表しなくていい

 22日、全国学力テストが行われた。

 われわれにように、多少なりとも教育に関連した仕事をしている者は、その調査結果に以前から関心を寄せていたが、マスコミがこれを積極的に報道したかというと、それほどでもなかったと記憶している。

 今年度から市町村教委の判断で学校別の成績が公表できるようになったのが、注目される大きな理由のようだ。

 私は競争は悪だという意見には与しない。運動会で順位をつけないなどと聞くと、アホかと叫びたくなる。ただ今回の件については、いささかの懸念はある。
 
 人々はランキング好きである。格付けが大好きである。
 他国のことはよく知らないが、日本人は格付けやらランキングが大好きなようで、私もその一人であることは否定しない。というか、テスト会社を運営し、日常的かつ積極的にこれを行っているのである。
 よって、以下はそれを踏まえてお読みいただきたい。

 まずテストにはいろいろな種類がある。私なりの分類である。
1.入学試験
  合否を決めるための材料として使われる。出題者は受験者に対して事後の指導は行わない。
2.模擬試験
  入学試験を念頭に、学習の成果を図るために行われる。また、志望校選定の参考資料としても用いられる。出題者自 身は、直接事後の指導は行わないが、塾指導者などによって行われる場合がある。
3.学校における定期考査
  成績(通信簿)をつけるために用いられる。出題者(先生)にとっては、自らの指導法を検証、反省するための資料 ともなる。事後の指導は出題者自身によって行われる。授業中に行われる小テストなども、ここに含めていいだろう。

 さて、全国学力テストはどうか。
 1や2と異なるのは明らかだ。3がやや近いと思われるが、通信簿の成績とはリンクしていない。また、出題者が先生ではないという点が決定的に違う。

 つまり、1から3までのどれも当てはまらないということになる。
 本来の名称は、全国学力・学習状況調査なのであるから、当たり前と言えば当たり前の話なのだが、これを全国学力テストと呼ぶものだから、ついつい他のテストと同じように考えたくなり、テストなんだから点数を発表しろ、順位を発表しろとなる。

 もちろん調査であっても結果は公表すべきなのだが、はたして学校別の結果まで世間に向かって公表する必要があるのかどうか。指導にあたる先生方が知っていれば十分ではないか。

 仮に多くの市町村が学校別の公開に踏み切った場合、マスコミは大喜びで飛びつくだろう(世間が大喜びするので)。こうなると、本来の、調査という目的が見失われ、順位を上げるための指導が行われる心配もある。すでにその予兆は見られる。

 個人情報、個人情報と大騒ぎする一方で、何でもかんでも公表しろってのは、おかしくないか。
 当事者(この場合、学校や先生)が知っていればそれで事足りると思うがな。

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受験生・保護者の皆さん、学校や塾の先生方に最新情報をお届けします。ただし、結構頻繁に受験と無関係の話も。

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