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靖国神社の何が問題なのか(前編)

 終戦の日である。

 毎年この時期になると靖国神社の話題が大きく取り上げられる。
 私が若い頃には、そのようなことはなかったので、ここ20年から30年ぐらいの現象であろう。

 靖国神社は、わりと歴史の浅い神社である。
 明治2年、「東京招魂社」として建てられたのが始まりで、のち靖国神社と改められた。
 鳥居をくぐると、大村益次郎(おおむらますじろう)という人の大きな銅像がたっているが、「東京招魂社」の設立に貢献があった人だからだ。

 歴史が浅いといっても、建立(こんりゅう=神社やお寺を建てることをこのように言う)されてから150年近くは経過しているわけだから、それなりに古いのだが、伊勢神宮とか出雲大社とか、奈良・京都の古い神社などは、千数百年の歴史があるわけで、これらに比べたら、最近できた神社である。

 神社には、神様が祀られて(まつられて)いる。その神様のことを祭神(さいじん)という。
 祭神は、それぞれの神社で異なっている。複数の祭神を祀る神社も多い。

 伊勢神宮(内宮)の祭神は天照大神(アマテラスオオミカミ)、出雲大社は大国主命(オオクニヌシノミコト)である。これらは大昔の神話に登場する神々であるが、実在した人物を祭神として祀る神社もある。平安時代の貴族である菅原道真(すがわらみちざね)を祀っているのが、北野天満宮(京都)、湯島天神(東京・文京区)などである。
 菅原道真は、政治家であると同時に学者でもあったので、学問の神様ということになっており、受験生たちに人気である。

 お正月の初詣で、全国一の参拝者を誇る明治神宮の祭神は、明治天皇である。
 外国人観光客も多い日光東照宮は徳川家康が祭神。家康があるなら、当然ながら織田信長・豊臣秀吉・武田信玄・上杉謙信といった戦国武将を祀る神社があり、時代を下れば幕末の吉田松陰、日露戦争時代の軍人・乃木希典や東郷平八郎を祀る神社もある。

 さて、そうなると、靖国神社は一体誰を祀る神社なのかという話になる。
 戦死者である。
 神話に登場する神でもなく、天皇でもなく、歴史上の人物でもなく、ほとんどが無名の戦士者たち。

 では、この場合の戦死者とは、いかなる戦争で命を落とした人々かというと、これがたくさんある。
 中学校の教科書にも登場する戊辰(ぼしん)戦争から始まり、日清戦争、日露戦争、第一次世界大戦、満州事変、第二次世界大戦(太平洋戦争)等々。
 その数約246万6千人。これが靖国神社の祭神である。

 まあ、ここまでは特に問題はなさそうだ。
 いろんな考えの人がいるとは思うが、死者を神としてお祀りするのは、日本の古くからの風習だから、取り立てて大騒ぎするような話ではないだろう。

 しかし、ある時期から事情が変わってくる。
 いわゆる「靖国問題」の発生であるが、これは後編で述べることにする。


 

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受験生・保護者の皆さん、学校や塾の先生方に最新情報をお届けします。ただし、結構頻繁に受験と無関係の話も。

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