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涙と美談の甲子園終わったな

 甲子園とかオリンピックとか、そういうものには美談が必要だ。涙はマスト。
 選手はそんなものは望まない。それどころじゃない。
 読者は? たぶん、そんなに望んでない。
 
 でも、マスコミはなぜか大好きだ。

 これについては、昔、書いた文がある。2004年のアテネ五輪の頃に書いたものだ。
 時間のある方はぜひ。

◆金メダルインタビュー
記者「山田選手、金メダルおめでとうございます。まず誰に報告しますか」
山田「誰と言ったって、身内はみんな応援に来てたわけだし、友達もLIVEで見てるから、ご覧のとおりということです」
記者「まあ、それはそうですが。で、ご両親も応援に?」
山田「ええ、来てましたよ。二人とも公務員で休みは取り放題ですから」
記者「おじいちゃん、おばあちゃんは日本で応援ですよね?」
山田「いいえ、来てますよ。うちの年寄はやたら元気でね。趣味は海外旅行」
記者「みなさんお元気なんですね」
山田「当然でしょう。そのDNAを受け継いでるから、トップアスリートなんですよ」
記者「確かに。では、中学校や高校の恩師の先生はいかがですか」
山田「今、夏休み中だし、うちでのんびりテレビ観戦じゃないですか」
記者「ご兄弟やお友達の皆さんは?」
山田「頭は弱いけど、身体は丈夫な連中ばっかりですからね。学校も休みだし、バイトに精出してるか、遊び狂ってるかどっちかでしょう」
記者「あのう、いい加減こちらの意図を理解して欲しいんですけど、身近な人で最近亡くなった人とか、病気で入院中の人とかいないんですか」
山田「ものごころついてから葬式に出たり病院に見舞いに行った記憶がありません」
記者「困りましたね、せっかく金メダル取ったというのに、涙のストーリーってものがないじゃないですか。これじゃ記事になりませんよ」
山田「そういえば、こっちに来る前、うちの金魚が死にました」
記者「それを早く言ってくださいよ。何でそんな大事な話を隠してたんですか」
山田「夏祭りの金魚すくいで、最後の一匹を買ってきたやつなんだけど」
記者「いや、泣かせますね。それ、いただきましょう。で、名前は?」
山田「何の?」
記者「金魚に決まってるじゃないですか」
山田「そんなもんあるわけないでしょう」
記者「じゃ、こうしましょう。金メダルにちなんで『ゴールド』。ね、いい名前でしょう」
山田「勝手にしてください」
記者「いやあ、最近にない感動的なストーリーじゃないですか。金メダルには涙、これしかありませんよ、ありがとうございました。あっ、山田選手、次の五輪の時はね、人間でお願いしますよ」

◆インタビューはこんな記事になった
水泳の山田
亡き金魚に誓った金メダル

「ゴールド、やったぞ」。ゴールした瞬間、山田は心の中でそう叫んだ。だが、今回の金メダルを誰よりも喜んでくれるはずだった山田の愛金ゴールドは今はもういない。日本を発つ3日前、ゴールドはその短い生涯を終えた。
去年の夏、ぶらりと出かけた夏祭り。山田は金魚すくいの水槽にたった一匹残っていた小さな金魚になぜか目を奪われた。世界で誰も真似の出来ない山田独特の泳法「出目金キック」は、実はゴールドを観察する中で生まれた。「日本に帰ったら、まずゴールドの墓参りに行って、金メダルを報告します」と山田選手。

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受験生・保護者の皆さん、学校や塾の先生方に最新情報をお届けします。ただし、結構頻繁に受験と無関係の話も。

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