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テスト結果を廊下に貼り出して励みになるか

 静岡県の川勝平太知事が、先に行われた全国学力テストに関して、小学校の市町村別の平均正答率と、小学校国語の平均正答率が全国平均を上回った学校の校長氏名を公表した。

 結果は、静岡県ホームページに掲載されているので、誰でもみられる。

 文科省は、これを批判しているが、川勝知事は、文科省が都道府県別の結果を公表しているのだから、県知事が市町村別を公表してどこが悪いと反論している。

 さてと、市町村別の公表まではいいとして(私は賛成しないが、禁止はされていないので)、校長氏名の公表にどんな意味があるのか。

 川勝知事は「励みになる」と述べているが、それはどうだろう。
 成績優秀者の氏名を廊下に貼り出すような行為だが、校長の中に、来年も貼り出されるように頑張ろうとか、来年こそは貼り出されるように頑張ろうとか思う人がいるだろうか。

 校長の中には、4月に赴任したばかりの人もいるわけだ。テストは5月。結果が良かったとしても、自分の功績と考える人はいないだろう。それとは逆に、3月までは結果が良かった学校にいたが、結果が良くない学校に転勤した人もいるだろう。そういう人の名前は貼り出されない。
 
 学力テストについては何度か書いたが、学力を伸ばすことが大事なのであって、順位を上げることが目的ではない。学力が伸びれば、結果として順位も上がるから、同じことだろうと考えがちだが、そうではない。
 順位はあくまでも結果であって、目的ではない。これが目的になってしまうと、極端な話、手段を選ばずということになってしまう。
 校長氏名公表の次に来るのは、国語や算数の先生の氏名公表か。まさか、そうはならないと思うが、ベクトル(考え方の方向)が、そちらに向いているようで心配だ。

 
 
 

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受験生・保護者の皆さん、学校や塾の先生方に最新情報をお届けします。ただし、結構頻繁に受験と無関係の話も。

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