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台風じゃなくて良かった

 今から55年前。昭和34年9月26日。
 伊勢湾台風という、とんでもないデカい台風が日本に上陸した。
 死者5千人超。

 当時、東京の荻窪(杉並区)に住んでいた私は、小学校2年生だった。
 こんな幼い日の記憶は、ほとんど残っていないのだが、これだけは鮮明に覚えている。

 強い雨が降り続き、すぐ近くを流れる善福寺川は、瞬く間に氾濫した。
 溢れた水は、庭に流れ込み、床下まで水に浸かった。
 ちなみに、あのころの多くの家屋は、木造平屋建てだから、2階に避難するという選択肢はない。

 仕事から帰って来た父親は、畳をはがしにかかった。
 はがした畳は、押し入れの上の段に積み上げられ、私は6歳の弟と共にその畳の上に避難した。
 1歳半になる妹がいたはずだが、どうしていたのか。記憶にない。
 たぶん、母親がおぶっていたのだろう。

 水はとうとう床上まで上がってきた。家中が泥水に浸かってしまった。
 このまま行ったらどうなるのだろう、と思ったはずだが、その先の記憶はないので、寝てしまったのだろう。

 翌朝。
 さあ、ここからがどうも不思議だ。
 運動会になっている。
 どう考えても、床上浸水の翌日が秋晴れの運動会なのだ。
 後日、過去カレンダーで確認したら、台風が26日の土曜日である。翌27日が運動会というのは理屈に合ってる。

 母親にも聞いてみた。
 「そうだよ。家の後始末もしなくちゃならないし、お弁当も作らなくちゃならないし、大変だったんだよ」。
 そうか、やっぱり運動会だったんだ。

 小学校は高台にあったから、何でもなかったんだ。
 我が家は低い土地にあった。そういうことなんだ。
 という理解は、大人になってからのものだ。

 その後も、9月26日には、何度も台風が上陸した。
 気象の世界では、ある特定の日に、特定の気象現象が起こるのを特異日と言うそうで、
 9月17日、26日は台風の特異日、10月10日や11月3日は、晴れの特異日。

 そんな9月26日。穏やかな秋晴れで良かった。

 

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受験生・保護者の皆さん、学校や塾の先生方に最新情報をお届けします。ただし、結構頻繁に受験と無関係の話も。

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