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表現力とは何かを考える(前半)

 埼玉県の公立高校入試の出題方針に、「思考力、判断力、表現力等の能力をみる問題の出題に配慮する」とある。
 そこで、「表現力とは何か」ということについて考えてみることにする。

●表情や身振りだって表現の一種だが…
 表現力とは、その文字からも分かるように、「表に現わす力」のことである。
 では一体、何を表に現わすのか。まず、そこから考えてみることにしよう。

 表に現わすもの。それは自分の内面にある思想や感情なのだが、少し言い方が難しいかもしれない。
 易しく言い換えよう。頭の中で「思ったこと」「感じたこと」「考えたこと」だ。これなら分かるだろう。これらを表に出すのが表現である。

 表現の仕方にはいろいろある。顔の表情や身振りだって表現だ。他にも、言葉に出したり、文章にしたり、踊ったり、絵に描いたり、音楽にしたりと、表現の仕方はたくさんある。表現って、なかなか奥が深いね。
 しかし、入試の学力検査で問われる「表現力」となると、範囲はぐんと狭くなる。言うまでもなく、言葉や文章として表わす力だ。なぜなら、学力検査は筆記試験だからである。

 「じゃあ、面接はどうなの?」。そう、確かにそこでも表現力が必要になりそうだ。が、その話は別の機会に譲るとして、とりあえず先に進もう。

●なぜ「表現力」が求められるのだろう。

 いったん話を整理する。学力検査で問われる「表現力」とは、「思ったこと」「感じたこと」「考えたこと」を、言葉にする力である。文章にする力である。

 ところで、高校入試の学力検査で、なぜこのような力を試そうとするのか。一昔前の学力検査は、「正しいものを選び、記号で答えなさい」といったタイプの問題が中心だった。全国的にそうだった。

 しかし、最近の入試では、「表現力」が非常に重視されるようになった。それは、今の世の中、あるいは、これからの社会では、どんな仕事に就くにしても、「表現力」が必要であるという考え方があるからだ。こうした考え方が入試にも反映されているのである。

●意識して「考える」ことが「表現力」につながる。
 私たちは、日々の生活の中で、絶えず、いろいろなことを思ったり、感じたり、考えたりしている。朝から晩まで、頭の中では、いろいろな思いや考えが、かけめぐっている。しかしながら、その大部分は、無意識に行っているものだ。つまり、「考えてみよう」という意識は働いていないのである。

 無意識だけど考え、判断し、行動に移す。これを素早くできるというのも、能力の一つには違いないが、入試で求められているのは、それではない。意識して考えることだ。いま自分は「〇〇について考えている」という明確な意識があり、そのことだけを考えているという状態が求められるのである。

●完全な「表現力」は、伝える力を持っている。
 私たちが、ものごとを考える際に使われる道具は言葉である。シーン(情景)を思い浮かべるのでもなければ、メロディーを思い浮かべるのでもない。言葉を思い浮かべ、組み立てて文章にして行く。これが「表現力」の基になる。しかし、まだ完全な「表現力」ではない。

 組み立てられた文章が、相手に伝わるものでなくてはならない。聞いた人や読んだ人に理解してもらえるものでなければ、完全な「表現力」とは言えない。
 親や兄弟なら分かるとか、親しい友達なら分かるというのではなく、聞いた人や読んだ人すべてに伝わるものでなければならないのである。

 考えてもみてほしい。みなさんが入試の場で、自分の考えを伝えなければならないのは、一度も会ったことがない人なのだ。男性か女性か、若い人か年配の人か、まったく分からない。はっきりしているのは、学校の先生であるということだけだ。

 だから、自分の考えが正しく伝わる言葉を選ばなければならない。日本語として正しい文章を書かなければならない。これらが備わったものが、完全な「表現力」ということになるのである。

 後半に続く



 

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受験生・保護者の皆さん、学校や塾の先生方に最新情報をお届けします。ただし、結構頻繁に受験と無関係の話も。

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