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地味にアメリカ中間選挙のお勉強

 いろいろなニュースがあって、それほど注目されていなが、アメリカの中間選挙について話しておこう。
 
 アメリカ議会は日本と同じく二院制である。
 上院と下院。
 上院は50ある州から2人ずつだから100人。意外と少ない。
 下院の方は、詳しい数字は忘れたが400人以上。各州の人口により配分される。

 下院の任期は2年。短いね。
 大統領の任期は4年だから、下院の選挙は、大統領選挙と重なるときと、そうでないときがある。
 重ならない方の選挙を中間選挙と呼び、今回行われたのがそれだ。

 アメリカには二つの大きな政党がある。
 民主党と共和党。
 オバマ大統領は民主党。

 今回の中間選挙の結果、上院下院共に共和党が多数を占めることになった。

 さあ、ここからがお勉強。
 日本だったら、議会(国会)で多数を占めた政党から、内閣総理大臣が選ばれるのが普通だ。議院内閣制という制度をとっているためだ。
 しかし、アメリカでは、別に大統領選挙というのがあるから、議会で多数を占める政党と、大統領が属する政党が異なるという事態が生じることがある。

 そういうのって、何か不都合はないのか。
 まあ、あるだろう。

 ただ、日本のように、内閣が法案を出して、それを議会で審議するという制度が、アメリカにはない。
 大統領は、議会に出席することもないし、そもそも法案を提出する権利がない。
 法律を作る、これを立法というが、これは議会だけに与えられた権限だと考えるのである。

 つまり、ここで何を知ってほしいかというと、三権分立のあり方の違いである。
 三権とは、立法行政司法

 日本やイギリスのように議院内閣制という制度をとっている国は、立法機関である議会(国会)の中から、行政機関(内閣)の長である内閣総理大臣が選ばれる。また、行政機関(内閣)は、法律案を議会(国会)に提出することができる。ほかにもいろいろあるが、要するに、三権分立ではあるが、行政と立法は、密接なつながりを持っているのである。

 日本やイギリスとの比較において、アメリカは、きわめて厳格に三権分立を守っていると言えよう。

 と言うわけで、今回、オバマ大統領の属する民主党が敗れた形であるが、前述のように、アメリカの大統領との立場というものは、議会の支持の下に成り立っているものではないので、それほど深刻な影響はないのである。

 勝利を収めた共和党の方も、別に「オバマやめろ」とは言っていない。と言うか、議会は、国民が選んだ大統領に対し、そんなことを言う権利はない。

 ただ、そうは言っても、現時点における国民の支持は、共和党の方にかたよっているのであるから、何かとやりにくいこともまた事実であろう。 

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受験生・保護者の皆さん、学校や塾の先生方に最新情報をお届けします。ただし、結構頻繁に受験と無関係の話も。

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