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個人の感想はウソじゃないが真実とも言えない

 今日の昼食時のことだ。たまたま隣の席のサラリーマンの会話が聞こえてきた。
 上司と、その部下と思われる。上司には、高校受験の息子がいるようだ。

 あの高校はどうだ、この高校はどうだ、今の入試制度はこうだ、といった話をしているのだが、そうだな、採点すれば50点から60点。間違いだらけだ。

 まあ、個人の感想の部分はいい。感想には個人差があるし、そもそも正解はない。
 ただ、事実に関する部分の違いは困るぞ。

 たとえば。 
 「うちの子は内申が良くないんだよ。〇〇高校は、内申が悪いと落とされるから、他にした方がいいって言ってるんだけどね」
 
 おいおい、その高校どこだよ。
 内申が悪いからって、それだけで落とす学校なんてないぞ。
 たしかに不利かもしれないけど、学力検査との合計だからね。

 誰か周りにいないのかね。中学校の先生だって、塾の先生だっているだろう。
 私は思わず、「今の話、こことここが違ってます」と、教えてあげたい衝動にかられたが、場所が場所だからね。「なんだよ、あんた」と怒られるのが関の山だから、やめといた。
 
 しかし、こういった間違った情報の源はどこなんだろうね。
 中学校ってことはないだろうし、塾でもないだろう。ただ、塾の場合、大学生のアルバイトも多いから、そこはちょっと心配であるが、教室長レベルなら入試制度について誤解があるとは思えない。

 ネットの情報?
 これは相当注意しなきゃいけない。
 もっとも、このブログだってネットの情報なのだが、私の場合は情報誌にも著名入りで記事を書いているし、テレビでも顔を出してるしね。だから、言っていることが全部正しいということにはならないが、少なくとも自分の発言に責任をとろうという心構えはある。

 もちろん、匿名の情報が全部怪しいということではない。割合としては正しいものの方が多いのだが、中学生が注意しなければいけないのは、個人の感想を情報として受け止めてしまうことだ。たしかに、それも情報のうちなのだが、その人の立場とか背景も想像してみなければならない。

 「うちの高校って、校則とかメッチャ厳しいし」。
 なんて聞くと、ちょっと引いてしまいそうだが、この発言をしている生徒が、茶髪で超ミニで化粧している女子かもしれないしね。たしかに、そういう子から見れば、「メッチャ厳しい」のだが、別の生徒に聞いたら「いや別に。フツーじゃないですか」となるかもしれない。

 個人の感想は、たしかにその人にとっては本当なのだろう。しかし、それがそのまま真実とは言えないのである。そこんところは十分注意してもらいたいと思う。
 

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受験生・保護者の皆さん、学校や塾の先生方に最新情報をお届けします。ただし、結構頻繁に受験と無関係の話も。

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