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キーワードで串刺しにして歴史を理解する

 今日の生徒は、社会が苦手というMさん。新顔だね。
 以前からの約束がようやく実現した。

 成績は上の上と言えるから、必要な知識は、一揃い頭に入っている。
 ただ、知識がバラバラに入っているから、それを結びつける必要がある。

 問題はその結び付け方なんだが、知識を結びつけるというのは、接着剤でくっつけるというより、串刺しにするというイメージだね。

 今日は歴史の授業をやったが、ここで100%再現することはできない。ほんの一部だが紹介しておこう。
 ※注 この後、かなり長い。

 1.江戸時代までの歴史は、日本のことだけ考えていれば、ほぼ理解できる。外国の影響も受けているが、限定的である。それに対し、明治以降の歴史は、世界との関係を抜きに考えることはできない。

 2.よって、当時(18世紀後半~20世紀初め)の世界が、どうであったかをまず知っておこう。それ自体が入試に出るわけではないが、そこを知った上で日本を考えたほうが、スラスラと頭に入ってくる。

 3.世界を変えたのはイギリスから起こった「産業革命」である。(市民革命から考えるべきだが、そこをやると、どんどん古い方に向かっていかなければならないので)

 4.産業革命により、機械による大量生産が可能になった。生産された商品は、初めは国内、そして次第にその市場(しじょう)を海外に求めるようになった。国内で発展した産業(企業)が、次に海外進出を図るのは、今も昔も変わらない。

 5.しかし、今と異なるのは、国家が軍事力(武力)を背景に、それを実現しようとしたことである。現代なら許されことではないが、残念ながら、それが当時の世界の常識であった。

 6.イギリスやフランスは、発展の遅れているアジア・アフリカ地域を政治的・経済的に支配しようとした。もちろん、すでに言ったように、軍事力を用いてである。このことを「植民地化」という。

 7.「植民地化」するということは、その国(地域)の産業の発展を抑えるということである。つまり、その国(地域)の人々は豊かになれない。

 8.ペリーは軍人である。かれが軍艦に乗ってやって来たという点に注目しよう。貿易をしようという話のはずなのに、これはほとんど脅しだろう。でも、それが当時の世界なのだ。で、日本は結局、アメリカの武力に屈して開国し、不平等条約を結ぶはめになった。

 9.幕府が倒れ、明治新政府ができたとき、日本には「植民地化」の脅威がすぐ目の前まで来ていた。とすれば、何はともあれ真っ先にやらなければいけないのは、強い国にすることだ。そこで、「富国強兵」が最優先課題となった。不平等条約も、結局は力の差であるから、その意味でも「富国強兵」が重要だ。

10.運よく富国強兵を順調に進めることができた日本は、イギリスやフランスがそうしたように、海外進出をめざすことになるが、その矛先が向けられたのが朝鮮半島及び中国北部である。

11.ある国の海外進出は、当然同じ意図を持つ他国との利害対立を呼び起こす。日本の朝鮮半島進出は、中国、ロシアとの対立となり、日清戦争日露戦争につながる。なお、当時の大国ロシアを破ったことで、日本は不平等条約の改正を実現した。ほら、やっぱり強くなるとこうなるだろう。

12.一方ヨーロッパでは、ドイツが遅れて産業革命を果たし海外進出をめざすが、時すでに遅し。アジア・アフリカはすべてイギリス・フランスにより「植民地化」されていた。

13.そこでドイツは、イギリス・フランスに植民地の再分割を要求する。俺にもよこせってことだ。このイギリス・フランスVSドイツの対立が、すなわち第一次世界大戦第二次世界大戦である。

14.ここまでの話をまとめれば、産業革命後の各国の軍事力を背景とした「植民地化」政策が対立を生み、これが日清・日露戦争、第一次世界大戦・第二次世界大戦などを引き起こしていることに気づくだろう。

 ということで、今日は、明治前半の歴史を、産業革命と植民地というキーワードで串刺しにしてみた。
 うまく伝わったかな?

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受験生・保護者の皆さん、学校や塾の先生方に最新情報をお届けします。ただし、結構頻繁に受験と無関係の話も。

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