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公立入試では、日本型「三権分立」のしくみが問われている

 社会が苦手というMさん。
 今日は2回目の講義。
 前回は歴史分野をやったので、今回は公民分野。
 ※本日長め。

 公民は、大きく分けると「政治」と「経済」であるが、今日は「政治」の方。
 ここをマスターするには、「日本の三権分立のしくみ」と、その中の「国会(立法)と内閣(行政)の関係」をしっかり理解する必要がある。

 国の権力というのは、「立法」「行政」「司法」の3つに分けられるが、それぞれ「国会」「内閣」「裁判所」という独立した3つの機関に担当させようというのが「三権分立」の考え方である。

 その昔、イギリスやフランスといったヨーロッパの国々では、国王が絶対的な力を持っており、「立法」「行政」「司法」の権力を一手に握っていた。国王が自分に都合の良い法を作って、自分に都合の良い政治をを行い、それに逆らう者は自分の都合で捕まえたり、牢屋に入れたり、処刑していたんだから、国民はたまらんな。

 しかし、17~18世紀になると、そもそも政治の権力というのは、国王にあるんじゃなくて、国民にあるんじゃないかという思想(考え方)が広まってきた。その影響もあって、イギリスやフランスでは革命が起こって、王政が倒れ、今で言う民主的な議会政治というものが始まって行く。

 この思想は日本にも伝わって来ているから、明治の中ごろに作られた大日本帝国憲法(明治憲法)にも、取り入れられている。ただ、今から考えると不十分なところがたくさんあった。

 さて、話は今の日本国憲法において「三権分立」の考え方が、どのような形で取り入れられているかということだ。
 言い換えれば、「日本型三権分立」とは、どのようなものかという話だ。

 「日本型三権分立」と対照的なのが「アメリカ型三権分立」だ。
 簡単に言うと、「アメリカ型」は、きわめて厳格な「三権分立」。それに比べ「日本型」は、やや緩やかな「三権分立」である。

 もっとも大きな違いは、「国会」と「内閣」、すなわち「立法」と「行政」の関係に現れている。
 日本では、内閣総理大臣は「国会で、国会議員の中から選ばれる」。つまり、現在で言うなら、安倍晋三内閣総理大臣は、衆議院議員安倍晋三でもあるわけだ。
 「三権分立」は、本来兼ねてはいけないわけだから、このへんがどうなのかなという疑問がわいてくる。

 その点、アメリカは、はっきりしている。オバマ大統領は、議会ではなく、国民が直接選んでいる。大統領は議員を兼ねることができない。議員ではないから議会にも出ない。

 これは、それぞれの国の政治制度であるから、どちらが正しく、どちらが誤りというものではない。
 受験生諸君は、「国会」と「内閣」が、ある意味密接な関係を持って進められる日本の「三権分立」のしくみが、どのようなものであるかを、しっかり学習しておけばよい。

 このような、日本の「国会」と「内閣」の関係を表す用語に「議院内閣制」というのがある。これは、入試においてはトップクラスの重要語である。
 国会で、国会議員の中から内閣総理大臣を選ぶわけだが、その国会議員を選挙で選ぶのは、国民であるから、ここにおいて「国民主権」が実現されている。これが日本における考え方だ。

 日本の議院内閣制では、国会の多数党(与党)の党首が内閣総理大臣に選ばれるから、「国会」と「内閣」の対立という場面は少なく、その分、スムーズに政治が運営されていくというメリットがあるが、お互いのチェックが甘くなるというデメリットがある。
 アメリカの場合、それぞれ別に選挙する関係上、議会の多数党(現在は共和党)と、大統領の属する政党(オバマ大統領は民主党)が一致しないこともあり、その場合、「議会」と「大統領」が対立しがちである。

 最後に。
 入試では、「国会」「内閣」「裁判所」が、バランスをとるために、どのようにチェックし合っているかという問題がしばしば出される。(3つを三角形で結んだ図がよく出る)
 受験生諸君は、この中で、「国会」と「内閣」の関係を第一に覚え、次に、「国会」と「裁判所」の関係を覚えるべきである。この順序を間違えてはいけない。
 「内閣」と「裁判所」の関係は?
 まあ、それはどうでもいい。というか、さほど重視されていない。

 日本は「国民主権」の国であるから、その国民が選んだ「国会」を中心に、すべてを考えればよいのだ。

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受験生・保護者の皆さん、学校や塾の先生方に最新情報をお届けします。ただし、結構頻繁に受験と無関係の話も。

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