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お金は使っても無くならない

 私が中学生の公民の先生だったら、「お金は使ってもなくならない」ってことを、まず教えるだろうね。

 「えっ、でも使ったらお財布は空になっちゃいますよ。やっぱり使ったら無くなると思うけどな」
 「はい。それも一つの事実ですが、キミが言っているのは、自分や自分の家のことです。これを経済のお勉強では「家計」と言うんですね。とりあえず覚えておいてください」

 「さて。キミが使ったお金は、キミの財布からは無くなりましたが、そのお金は誰かが受け取っているでしょう。お店の人とか。だから、お金は、お店の人の財布にちゃんと収まってますよ。消えて無くなったりはしません」

 そして、そのお金は、店員の給料に使われるかもしれない。つまり、お金は店員のお財布に移動する。さらに、店員はそのお金で何かを買う。すると、また別の人のお財布に移動する。
 という具合に、次々と、移動して行くだけで、永久に無くならない。

 経済のお勉強というのは、実は、この「お金の流れ」を学ぶことなんだね。

 で、最初の話に戻るが、「お金の流れ」を考えるときに、誰だってまず自分や自分の家庭のことから考えるけど、お金は、個人と個人、家庭と家庭の間だけを行ったり来たりしてるわけじゃないね。
 さっきお店の話をしたけど、たとえばセブンイレブンだったら、セブン&アイホールディングスという会社だね。経済のお勉強では企業と言う場合が多いけど。
 つまり、お金は家庭(家計)から企業に移動するわけだ。銀行にお金を預けるんだって、同じように家計から、銀行という企業に移動してると考えられる。

 まだ、あるぞ。
 家計や企業は税金を払うだろう。ということは、ここでまた、お金は国家(政府)や地方自治体の金庫に移動する。
 政府や地方自治体は、ただ金庫にお金を積み上げて喜んでいるわけじゃないぞ。そのお金で、道路を作ったり、橋をかけたりする。
 そうすると、企業(建設会社)にお金が移動するが、企業が社員に給料を払うと、ぐるっと回って家計に戻って来るね。公務員に給料を払えば、同じように家計に戻ってくる。

 ということで、「お金は使っても無くならない」を理解するためには、家計(個人や家庭)だけでなく、企業や政府というのも考慮しないといけないんだね。
 専門的に言うと、この家計・企業・政府のことを経済主体と言うんだ。

 長くなりそうなので、今日はこのへんにするが、実は、家計・企業・政府は、同じようにお金を使うんでも、その使い方が違うんだ。使い方の基準と言ったほうがいいかな。
 たとえば給料。家計の側から言えば、1円でも多くもらいたいだろう。でも、企業の側は1円でも少なくしたい。
 税金もそうだね。1円でも多く集めたい政府と、1円でも節税したい家計。
 経済学という学問が、解決しなきゃいけないのは、要はそこんところなんだが、続きは後日。

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受験生・保護者の皆さん、学校や塾の先生方に最新情報をお届けします。ただし、結構頻繁に受験と無関係の話も。

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