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国民一人あたり811万円の借金って本当か

 国民一人当たり811万円の借金!
 などと言われると、ドキッとするね。

 これは、国の借金である約1030兆円を、国民の数で割ったものであるが、この割り算にどれほどの意味があるかを、ちょっと考えてみなければならない。
 前回述べたように、国(政府)と企業と国民(家計)は、別々の経済主体であるから、国(政府)の借金を、国民の数で割ってどうなるのか。

 ここで国の借金と言われているのは、主に「国債」である。
 国がいろいろな事業をやるにあたって、お金が必要になる。そのお金は、基本的には税金でまかなわれる。しかし、これでは足りない。そこで、足りない分は借金する。その際、借金した証として「国債」という証券を発行している。こんな仕組みだ。つまり、「国債」をたくさん発行したということは、たくさん借金をしたということになる。

 ところで。
 誰かが借金したということは、一方にお金を貸した人がいるはずだ。
 「国債」の場合で言えば、それを買った人が、お金の貸し手である。
 では、誰が買っているか。
 主に銀行などの金融機関である。
 
 整理しよう。
 借金している人 → 国
 お金を貸している人 → 金融機関

 さて、では金融機関は、貸すためのお金をどのようにして得ているのか。
 個人や企業からの預金である。
 われわれは普通、銀行にお金を預けると言っているが、この行為は、実はお金を貸しているというのと同じである。だから、これを整理すると、次のようになる。
 借金している人 → 金融機関
 お金を貸している人 → 国民

 さあ、こうなると、何かおかしなことにならないか?
 国民が金融機関にお金を貸す → 金融機関がそのお金を国に貸す
 じゃあ、国民はお金を貸している人であって、借金している人ではないじゃないか。
 それなのに、なぜ国民一人当たり811万円の借金っていうことになるんだ。

 人に貸してあげたお金というのは、今は、自分の財布の中にはないが、自分の財産であることに変わりない。
 だれかに100万円貸しておいて、それを借金だと言う人はいないからね。

 そう考えると、811万円の借金じゃなくて、811万円の財産(資産)じゃないかと思えてくる。
 なんか、話が面倒になってきたね。
 続きはまた。

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受験生・保護者の皆さん、学校や塾の先生方に最新情報をお届けします。ただし、結構頻繁に受験と無関係の話も。

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