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過労死した「熱血」先生、誰か周りにいなかったのか

 大阪・堺市の中学校教諭(26歳)の死が、過労死と認定されたというニュースがあった。
 
 過労死というと、そこまで働かせた会社(学校)が悪いとなって、教育委員会や学校が責められそうだが、どうもそういう話じゃないんじゃないかというのが私の正直な感想だ。
 20代で2年目の教員なら、寝食を忘れて頑張るのは、別に特別なことじゃない。多くの教員が経験してきていることだし、今も、亡くなった彼と同じようなことをしている若い教員は大勢いるだろう。

 教員の朝は結構早い。授業の始まりは午前8時半ごろだが、その前に朝の打ち合わせがあるし、場合によっては登校指導なんてこともしなければならない。だから、7時とか7時半には出勤する。
 私は、途中で教員をやめてサラリーマンになったのだが、9時始業と聞いて、なんてゆっくりなんだろうと思ったものだ。

 1日6時間のうち、実際に自分が授業を行うのは3~4時間であるが、空いた時間には各種の会議が入る。昼休みは、生徒を呼んだり、生徒に押しかけて来られて、飯を食いそこなうこともしばしばだ。
 授業が終わったら、掃除の監督して、帰りのホームルームやって、あとは部活だ。練習終わって、学校を出るのは7時とか8時。
 これで終われりゃいいが、家に帰ったら授業の予習(準備)が待っている。経験の浅い若い教員にとって、これは苦しい作業だが、少しでもいい授業をやりたいと思えば、この時間はどんどん長くなり、睡眠時間が削られる。
 土日に挽回しようと思っても、部活の練習や大会でづぶれるから、それもままならない。

 というのは私の経験だが、周りの同僚を見ても、みんな似たり寄ったりだったから、それが当たり前だと思っていた。
 やらされているという感覚はなく、そうしたくてやっていた。
 だから、亡くなった彼も、たぶん同じような気持ちだったのではないかと想像するのである。

 若いときは、教育委員会? えっ、それがどうした。校長・教頭? うるさい!じじい黙ってろ。てなもので、ただただ目の前の生徒しか見ていない。というか見えてない。
 しかし、教員として、あるいは社会人として、こういう無茶をやる時期も必要なんじゃないかと思う。

 亡くなった彼の場合、共にがんばれる同世代の仲間がいたのかどうか、気の利いたアドバイスをしてくれる、ちょっと上の先輩がいたのかどうか、そのあたりの人間関係というか職場環境が気になるところだ。それと、食事とか健康とかを気遣ってくれる家族(両親とか奥さん)ないしは彼女の存在。
 
 もちろん、法整備は進めなくてはならないし、教員の負担軽減はもっともっと考えられなくてはならない。だが、亡くなった彼のような人間は、法や規則がどうあろうと、結局とことんやってしまうのだ。

 誰か周りにいなかったのか。そこのところが残念でならない。

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受験生・保護者の皆さん、学校や塾の先生方に最新情報をお届けします。ただし、結構頻繁に受験と無関係の話も。

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