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持ち出す例を間違って、東大の負け

 昨日書いた「太った豚より、痩せたソクラテス」の話。

 東大教養学部の卒業式で、学部長が、実は言っていなかったと真相を語り、情報を鵜呑みにするのではなく、自分で調べなさいという意味合いの訓示を垂れたそうだ。

 でもね。
 「実は言っていなかった」というのは、結構知られた話なんだよ。
 私が新聞などでこの話題に接したのは中学1年の頃。以来、ずっと実話と信じていたが、比較的最近、「実は言ってなかった」と分かったのはネットのおかげだ。
 ネットは役に立つな。

 本当かどうか自分で調べろ。
 うん。そうなんだが、できることと、できないことがあるぞ。
 東大の卒業式なんて関係者しか出てないんだから、新聞に「言った」と書いてあれば、はい、そうでしたかと思うしかないじゃないか。

 今だったら、出席者の誰かが「新聞にはそう書いてあるけど、言ってないぞ。オレ聞いてない」なんて、ネットに投稿してくれるから、真相はどうなんだろうっていう展開になって、すぐに事実が判明する。
 ネットは役に立つな。

 私も新聞に多少関わっているが、新聞記者は、予定(原)稿というのを書いておくことがある。
 事件や事故は、いつ起こるかわからないが、あらかじめ展開がわかっていることってあるからね。
 主催者から配られたペーパー(資料)を元に、前もって書いておいたら、本番で言わなかった。そういうウッカリが、いつしか実話として独り歩きしてしまった。そういう話なんだよ。

学部長は、「あらゆる情報の真偽を自分の目で確認してみること、必ず一次情報に立ち返って自分の頭と足で検証してみること、この健全な批判精神こそが、文系・理系を問わず、「教養学部」という同じ一つの名前の学部を卒業する皆さんに共通して求められる「教養」というものの本質なのだと、私は思います」と、式辞の中で述べている。

 これは、その通りだろう。
 だが、ここに持ってくるために、大昔の卒業式の話を持ち出したのは、あまりうまくなかったな。
 元はと言えば、新聞記者が、ちゃんと取材しなかったっていう話なんだから。

 ということで、東大の負け。
 

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受験生・保護者の皆さん、学校や塾の先生方に最新情報をお届けします。ただし、結構頻繁に受験と無関係の話も。

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