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新学期が「お詫びと反省」から始まるとしたら

 万引きの語源は「間引き」という説が有力らしい。
 よく聞く言葉だが、これは通称で、刑法にはこの言葉はなく、235条の窃盗罪に当たるということだ。
 つまり、れっきとした犯罪で、大人がこの罪を犯せば、10年以下の懲役となる。

 さて。
 問題は埼玉の私立高校生の韓国における集団万引き事件である。
 新聞・テレビでも報道され、すでに学校名も知れてしまった。
 ネット社会では、瞬く間に実名がさらされてしまう。

 テレビでは、記者会見に応じた副校長の顔を映していなかった。
 顔だけ映さないのは、普通に考えれば不自然なのであるが、犯罪として成立するのかどうか微妙であるというマスコミ側の判断なのだろう。
 韓国の事情は分からないが、日本だと、万引きされた店側が被害届を出さず、盗んだ側が被害額を弁償するなどして示談(じだん)で終わらせることがある。まあ、簡単に言えば、なかったことにするわけである。
 今回の件は、外国で起きた事件でもあり、今後の成り行きも不透明ということで、とりあえず慎重姿勢で臨んだものと思われる。

 ただ、法的な成り行きはともかく、事実として万引きがあったのは明らかなようだから、いずれ校長や部活顧問が出てきて謝罪会見という流れは避けられそうもない。

 気の毒なのは、在校生、とりわけ入学式直後の新入生である。
 新入生にとっては、入学前の春休みに起きた事件であるから、「生徒たちに責任はない」というのは、正にこんな場合に使う言葉である。
 4月8日の入学式で、校長は新入生に、一体どんな言葉をかけたのだろう。担任の先生は何を語ったのだろう。

 楽しいはずの新学期が、先生たちによる「お詫びと反省」から始まるとしたら、これほど辛く悲しいことはない。

 
 ※お知らせ
  昨日(4月11日)のブログで紹介した伏見稲荷の動画をアップしました。
  伏見稲荷の動画(3分34秒)

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受験生・保護者の皆さん、学校や塾の先生方に最新情報をお届けします。ただし、結構頻繁に受験と無関係の話も。

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