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学力テスト、みんなで分析できれば

 昨日、埼玉県内(さいたま市を除く)の小学4~中学3年生を対象とした県独自の学力・学習状況調査が初めて実施された。
 対象は小学校708校、中学校360校の児童生徒約31万人である。

 県の学力テストはこれまで小学5年と中学2年で実施してきた。いわば定点観測だ。これに対し、今回行われたものは、調査対象を小学4年から中学3年まで拡大し、今後毎年実施し、学力の伸びを継続的に把握しようとするものだ。県教育局によると、全国初の試みだという。

 科目は、小学4~6年が国語と算数、中学1年が国語と数学、中学2・3年が国語、数学、英語。7月に児童生徒に個人結果を返却し、8月に全体及び市町村別などの結果を公表する。学校別結果の公表は、市町村教委の判断に委ねられる。

 
 さて、ここから私見。

 テストというのは、それを行えば、平均点や順位、さらには、その気になれば偏差値なども算出できるので、どうしてもそうした数字にばかり目を奪われてしまう。
 しかし、本当に大事なのは、その結果をどのように日々の教育活動にフィードバックするかということである。

 16日のテストは、分析のためのデータ収集、つまり準備段階だ。それから集計と分析が行われ、その結果が発表される。おそらく一般の興味関心はここまでだ。
 しかし、学校にとって、あるいは先生方にとっては、ここからが本番だ。テスト結果の中から課題を抽出し、解決策を見出し、それを実践するという息の長い仕事が待っている。ご苦労な話だが、これをやらないとテスト本来の目的が達せられない。ぜひ、頑張ってほしい。

 われわれ外部の人間から県教委に要望したいのは、情報の徹底的な公開だ。
 学校別とか市町村別などに格別な興味があるわけではない。それは集計すれば済む話である。
 元のデータに当たって、分析をしたいのだ。

 現状では、データは県教委が独占しているから、第三者による分析は不可能である。またはきわめて困難だ。
しかし、いろいろな立場の、あるいは分野の人々が、自由に分析に参加できるようになれば、テスト結果の活用も大いに前進するであろう。
 注意深くやらなければならないことだが、「子どもたちを伸ばすムーブメントを巻き起こしたい」(関根郁夫教育長)のであれば、官だけではなく民の活用についても一考してもらいたい。

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受験生・保護者の皆さん、学校や塾の先生方に最新情報をお届けします。ただし、結構頻繁に受験と無関係の話も。

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