全国学力テストが「迷走」、「混乱」? ウソ言うな
今日は文部科学省の「全国学力・学習状況調査」(全国学力テスト)が行われた。
対象は小学6年と中学3年。今年から国語・数学(算数)に理科も加えて実施された。
ネットのニュースを見ていたら、こんな記事が見つかった。
「学力テスト:活用で迷走…内申利用、結果公表などで混乱」(毎日新聞)
いかにも毎日新聞らしくて笑ってしまった。
どこが可笑しい?
見出しに「迷走」とか「混乱」という言葉を使っているからだよ。
いつも言っているように、見出しは記事そのものじゃなくて、読者を引きつけるためのものだから、多少オーバーな表現になったとしても、それは許すよ。
でも、記事の中身は、大阪府と静岡県の話だけなんだね。
記事本文を見てみよう。
「今回からその結果を高校入試での内申点の基準づくりに活用することを決めた大阪府では「直前対策」を強化する学校が出てくるなど競争激化の兆しがみえる。文科省は「テストの信頼性が損なわれないようにしてほしい」と想定外の使い方をけん制。一方、結果公表を巡って知事と県教委の対立が繰り返されてきた静岡県は教育長の退任、不在という異例事態が続く。学校からは「『学テ騒動』はこりごり」と嘆きも聞かれる」(下線は私が引いたもの)
さあ、ツッコミを入れるぞ。
大阪府では、高校入試の内申点の基準づくりに使われることになって、これについては批判もある。私も言いたいことはあるが、それは後で。
記事では、過去問を解かせた中学校があるということと、対策プリントを配った中学校があるという2つの事例が紹介されているが、これで「競争激化」と言えるか。ちょっと無理があるな。そこで、「競争激化の兆し」とくるわけだ。要するに「激化」を使いたかったんだね。でも、そこまで言うとウソになるから、「兆し」で逃げておく。
静岡県では、学力テストをめぐる知事と教育長の対立があった。
安倍教育長は3月末で退任したが、こんなニュースがある。
「安倍教育長 川勝知事に退任あいさつ:3月末で退任する安倍徹・静岡県教育長は最終日の31日、県庁の知事室に川勝平太知事を訪ね、退任のあいさつをした。知事は全国学力テスト問題などを理由に安倍教育長に事実上の辞任要求をした経緯があるが、最後は和やかに「ありがとうございました」と労をねぎらった。(中略)知事が、県発行の歌集「富士山万葉集」に採用された安倍教育長の短歌を取り上げ、「歌心がある」と称賛する一幕もあった」(静岡新聞の記事より)
ま、大人同士だからね。こんな場で罵り合うとは思えないが、今も激しい対立が続いているようには見えないな。
静岡県では後任の教育長が決まっていない、つまり教育長不在は事実だ。
ただしこれは、後任に予定された人物の過去の経歴に疑義があるとして、議会が人事案を否決したからであって、学力テストとは直接には関係しない。
なんだが、ザザッと読むと学力テストをめぐる対立が教育長不在の直接の原因であるというふうにも読めなくはない。上手いと言えば言えるんだが、魂胆みえみえで反吐が出るぜ。
「学校からは『学テ騒動』はこりごりと嘆きも聞こえる」
空耳だろう。
学テ騒動というのは、今から50年前に行なわれた全国的な学力テストのときに反対運動が起こり、逮捕者まで出る騒ぎになったことを指しているんだろうが、今年64歳になる私でさえ知らない話だよ。
この騒動があって全国学力テストが中止になり、2007年に43年ぶりに再開されたのが現在の学力テストだ。
こりごりの嘆きが聞こえる記者は耳鼻科を受診したほうがいい。もしくは亡霊の仕業かもしれんぞ。だとしたら、こりゃ学校の怪談だ。
対象は小学6年と中学3年。今年から国語・数学(算数)に理科も加えて実施された。
ネットのニュースを見ていたら、こんな記事が見つかった。
「学力テスト:活用で迷走…内申利用、結果公表などで混乱」(毎日新聞)
いかにも毎日新聞らしくて笑ってしまった。
どこが可笑しい?
見出しに「迷走」とか「混乱」という言葉を使っているからだよ。
いつも言っているように、見出しは記事そのものじゃなくて、読者を引きつけるためのものだから、多少オーバーな表現になったとしても、それは許すよ。
でも、記事の中身は、大阪府と静岡県の話だけなんだね。
記事本文を見てみよう。
「今回からその結果を高校入試での内申点の基準づくりに活用することを決めた大阪府では「直前対策」を強化する学校が出てくるなど競争激化の兆しがみえる。文科省は「テストの信頼性が損なわれないようにしてほしい」と想定外の使い方をけん制。一方、結果公表を巡って知事と県教委の対立が繰り返されてきた静岡県は教育長の退任、不在という異例事態が続く。学校からは「『学テ騒動』はこりごり」と嘆きも聞かれる」(下線は私が引いたもの)
さあ、ツッコミを入れるぞ。
大阪府では、高校入試の内申点の基準づくりに使われることになって、これについては批判もある。私も言いたいことはあるが、それは後で。
記事では、過去問を解かせた中学校があるということと、対策プリントを配った中学校があるという2つの事例が紹介されているが、これで「競争激化」と言えるか。ちょっと無理があるな。そこで、「競争激化の兆し」とくるわけだ。要するに「激化」を使いたかったんだね。でも、そこまで言うとウソになるから、「兆し」で逃げておく。
静岡県では、学力テストをめぐる知事と教育長の対立があった。
安倍教育長は3月末で退任したが、こんなニュースがある。
「安倍教育長 川勝知事に退任あいさつ:3月末で退任する安倍徹・静岡県教育長は最終日の31日、県庁の知事室に川勝平太知事を訪ね、退任のあいさつをした。知事は全国学力テスト問題などを理由に安倍教育長に事実上の辞任要求をした経緯があるが、最後は和やかに「ありがとうございました」と労をねぎらった。(中略)知事が、県発行の歌集「富士山万葉集」に採用された安倍教育長の短歌を取り上げ、「歌心がある」と称賛する一幕もあった」(静岡新聞の記事より)
ま、大人同士だからね。こんな場で罵り合うとは思えないが、今も激しい対立が続いているようには見えないな。
静岡県では後任の教育長が決まっていない、つまり教育長不在は事実だ。
ただしこれは、後任に予定された人物の過去の経歴に疑義があるとして、議会が人事案を否決したからであって、学力テストとは直接には関係しない。
なんだが、ザザッと読むと学力テストをめぐる対立が教育長不在の直接の原因であるというふうにも読めなくはない。上手いと言えば言えるんだが、魂胆みえみえで反吐が出るぜ。
「学校からは『学テ騒動』はこりごりと嘆きも聞こえる」
空耳だろう。
学テ騒動というのは、今から50年前に行なわれた全国的な学力テストのときに反対運動が起こり、逮捕者まで出る騒ぎになったことを指しているんだろうが、今年64歳になる私でさえ知らない話だよ。
この騒動があって全国学力テストが中止になり、2007年に43年ぶりに再開されたのが現在の学力テストだ。
こりごりの嘆きが聞こえる記者は耳鼻科を受診したほうがいい。もしくは亡霊の仕業かもしれんぞ。だとしたら、こりゃ学校の怪談だ。