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本庄第一、「事件が起きるまで」が、これからの課題

 集団万引事件について、本庄第一高校が記者会見を行った。また、同校ホームページには「お詫び」文が掲載された。
 こうした不祥事の際は、初動がきわめて重要であること、また、記者会見等を含めた取材対応を誤ると、傷口を広げてしまうことなどを改めて感じた。

 さて、今回の不祥事。
 2つに分けて考えてみる必要がある。一つは「事件が起きるまで」、もう一つは「事件が起きてから」である。

 後者の、「事件が起きてから」の対応にはさまざまな問題があり、このことも世間の批判の的となったのであるが、これは直接には教育と関係しない話である。
 もちろん、教育とは関係ないからどうでもいいというのではなく、いったん切り離して考え、それは別途の問題として反省すべきだということである。

 学校にとって、より深刻かつ重要な問題は、「事件が起きるまで」である。
 生徒たちがなぜこのような事件、いや犯罪を起こしてしまったか。ここは学校や先生方が痛烈に自己反省をしなければならないところである。

 「事件が起きてから」の対応については、こうした場面に不慣れであったとみることもできる。(慣れるようでも困るが)
 しかし、「事件が起きるまで」については、不慣れでしたでは済まされない。そもそも学校というのは、遵法の精神を教えるところであり、倫理観をうえつける指導をする場所であるからだ。
 したがって、こうした事件を防げなかったという点については、いくら反省してもし過ぎるということはないのである。

 在校生や卒業生は、今後の進学や就職の際に不利になるか。
 それはない。ただ、不安はぬぐえないだろう。
 だから、かれらが、自信を持ち、胸を張ってこれからを生きられるようにしてやる責任が、学校にはある。

 「事件が起きてから」については、一応のけじめをつけた形であるが、「事件が起きるまで」については、まだ何も解決していない。
 本庄第一高校の今後の取り組みを注視して行こうと思う。

 ※新聞記事と、学校による「お詫び」文は、「続きを読む」に貼りつけておいた。
■埼玉新聞記事(平成27年4月25日付け)

<韓国集団万引>本庄第一高、29人「無期停学以上」 監督を解雇
 
 韓国ソウルのショッピングモールで3月、県内の私立高校の男子サッカー部員が集団万引した問題で、同高校長らが24日会見し、万引の生徒29人を無期停学以上の処分としたほか、同部監督の教諭(48)を懲戒解雇に、同コーチで引率の教諭(32)を停職1カ月の処分にしたと発表した。
 会見は本庄第一高校(本庄市仁手)の吉田秀也校長と相川浩一副校長が行った。吉田校長らは冒頭「多大なご迷惑をお掛けしたことをおわびしたい」と謝罪した。会見では万引をした生徒が、新たに6人増えて29人となったことを明らかにした。
 教諭2人の処分の理由について吉田校長は「問題が起きた際、ほかにも万引をした生徒がいることを知りながら事態を大きくしたくないとの考えで学校側にきちんと伝えなかったため」と説明している。同校は「再出発」を掲げ、ホームページなどで実名でのおわびを行っている。
 男子サッカー部の韓国遠征は3月23日~27日で、韓国の高校生らと強化試合を行った。4泊5日の日程で生徒37人と監督、コーチら計41人が参加した。3月27日朝、集団万引をしたという。
 同校によると、生徒が万引した商品はベルトや財布などだった。前回の23人(聴取を受けなかった1人を含む)が69点(26万円相当)で、今回の6人は9点(4万円相当)だったという。
 同校は今後、生徒の心に訴えていく指導を徹底させるため、外部の有識者を加えた再発防止委員会を近く立ち上げる。

■本庄第一高校による「お詫び」全文

 本校男子サッカー部員による韓国での集団窃盗事件に関するお詫び 
 韓国遠征中の本校男子サッカー部の一部の部員が、ソウル市内の店舗で集団での窃盗行為を行ったことについて、被害を与えてしまった店舗の方々、全国の皆様方、教育関係各位、サッカー関係各位、本校関係各位、卒業生各位等、大勢の皆様に多大なるご迷惑とご心配をお掛けしましたことを深くお詫び申し上げます。
 このような大きな不祥事をおこしてしまいましたことは痛恨の極みであり、学園の責任者としての責任、生徒及び職員の管理・監督不足の責任を痛感し猛省しております。
 本件に関して、当人達は深い反省の意を述べておりますが、責任は極めて重大であり、引き続き調査と指導を行い、学園として厳正に対処する所存です。
 今後は、二度とこのようなことがおこらぬよう「外部有識者を加えた再発防止委員会」を立ち上げ、原因究明をしっかり行うと共に再発防止に誠心誠意努め、信頼回復に向け教職員一致団結して取り組んで参ります。
 なお、本校ホームページは、アクセス集中と掲載された生徒の写真等の流出を防止するため、閉鎖させていただいておりました。この件に関しても、大勢の皆様にご迷惑とご心配をお掛けしましたことを重ねてお詫び申し上げます。

平成27年4月23日
学校法人塩原学園
理事長 山口 修
本庄第一高等学校
校長 吉田 秀也

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受験生・保護者の皆さん、学校や塾の先生方に最新情報をお届けします。ただし、結構頻繁に受験と無関係の話も。

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