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私立高校入試に記述・論述は必要か

 「将来は記述100%の入試にする」
 これは「東部私学の集い」における花咲徳栄高校・小林清木校長の話。

 26年度初めて記述問題を入れた。このときは全体の10%。27年度は25%に増やした。そして、来る28年度は50%まで広げ、将来は100%を目指すという。

 埼玉の私立高校入試はマークシート方式や記号選択式が多い。
 これは、試験実施から発表まで1週間かける公立と異なり、翌日発表が普通であることや、単願・併願、推薦・一般など試験の種類や回数が多いことと関係している。
 つまり、言葉は悪いが、「手間暇をかける余裕」がないのである。

 現在の中学1年が大学受験を迎えるときには、センター試験が廃止され、記述重視の新しい試験が始まる。花咲徳栄の場合は、そうした将来の方向を見すえての高校入試改革ということだろう。
 それはそれでよい。
 ただし、記述と聞いた途端に引いてしまう受験生も少なくないと思われる。その点は少し心配だ。

 私は、記述重視の公立入試に対し、マークシート主流の私立入試という構図は、好ましいものと思わないが、そもそも入試それ自体に「手間暇をかける必要」があるかどうかという議論もある。

 つまり、記述問題に強い生徒に育てようというなら、入学後でいいではないか。入試は教育そのものではないのだから、公平性さえ担保されれば、マークシートのような効率的な方法でいいではないかという意見である。
 これも一理ある。

 今回はたまたま花咲徳栄の例をあげたが、同じ東部地区の昌平なども上位クラスの入試では記述・論述を取り入れているし、公立と同じ5教科入試も行っている。
 いずれにしても、形骸化しつつある私立入試の中で、こうした模索が続くのは悪いことではない。

 

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受験生・保護者の皆さん、学校や塾の先生方に最新情報をお届けします。ただし、結構頻繁に受験と無関係の話も。

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