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知事はなぜ多選になりやすいか

 8月に埼玉県知事選挙がある。
 上田清司現知事(67)は、やはり4選をめざし出馬する模様だ。大きな失政もなく、これといったスキャンダルもないので、まあ順当と言えば順当だ。

 唯一ネックとなるのは、自ら制定した「埼玉県知事の在任期間に関する条例」、いわゆる「多選自粛条例」だろう。
 同条例第2条に、「知事の職にある者は、その職に連続して3期を超えて在任しないよう努めるものとする」とある。

 これに関して、「禁止する」ではなく「努めるものとする」だから別に構わないではないかという意見がある。
 一方、憲法で認められた参政権の制限につながるから「禁止する」ではなく「努めるものとする」としたのであって、限りなく「禁止する」に近いものであるという意見もある。
 まあ、どっちにしても、4選出馬すれば公約違反のそしりは免れないと思われるが、最終的には県民が選挙で断を下せばいいのだ。

 ところで。
 全国的に見て、多選知事というのは決して珍しくないという事実に注目してみよう。
 過去、3選、4選の知事はいくらでもいた。
 わが埼玉県においても、上田知事の前任・土屋義彦氏が3選、その前の畑和氏が5選、さらにその前の栗原浩氏が4選を果たしているから、仮に上田知事が4選となっても異例というわけではない。

 上田知事が初当選したのは2003年。当時の首相は小泉純一郎だったが、その後、安倍晋三、福田康夫、麻生太郎、鳩山由紀夫、菅直人、野田佳彦と代わって、今はもう一度安倍晋三。というわけで、上田氏が一人で知事をやっている間に、首相は9人も代わっているのだ。

 首相はコロコロ代わるのに、なぜ知事は多選になるのか。
 多選の是非を論じる前に、ここのところを考えてみなければならない。

 私の結論は、みんなが「誰でもいいんじゃないの」と考えているから。
 つまり、そんなに関心がない。
 だから投票率も低く、組織を固めた現職知事が有利になる。

 では、なぜ関心がなくなるか。
 地方分権が叫ばれているが、実際は国の権限が圧倒的な中央集権というのが、いまの日本の姿だ。
 だから、知事が代わったところで、大した権限もないんだから、誰がやっても同じだろうということになる。

 知事や市長について、多選禁止なんて言っても、今のところ大した意味を持たないのだ。 
 だが、相対的に地方の権限が大きくなれば、住民も関心を持たざるを得ない。
 その時に初めて、多選の是非を論じる意味が出てくる。もっとも、そうなれば、わざわざ多選禁止などと決めなくても、現職に厳しい選挙になるだろう。

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受験生・保護者の皆さん、学校や塾の先生方に最新情報をお届けします。ただし、結構頻繁に受験と無関係の話も。

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