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学者は最初から憲法違反って言ってるだろう

 自衛隊は憲法9条に違反しているか。
 この問題は、自衛隊(最初は警察予備隊)創設以来、永らく議論されてきたところである。
 ちなみに憲法第9条第2項には、「前項の目的を達するため、陸海空軍その他の戦力はこれを保持しない」とある。
 普通の人の、普通の読解力でこれを読めば、やっぱり自衛隊は憲法違反だよなという結論になるわけだが、憲法学者と言われる専門家も、おおむねこの解釈に立っている。いわゆる学界の通説というやつだ。

 では、「憲法の番人」とも言われる最高裁判所はどうかというと、いまだかつて合憲という判断を下したことはない。その一方、途中経過の一審・二審では違憲判決が出た例もあるが、終審裁判所である最高裁として違憲という判断をしたこともない。
 一体どっちなんだ?
 それについて最高裁では、「これは高度な政治的判断が必要なもので、裁判所の判決にはなじまない」と言っている。難しい言い方だが、統治行為論と呼ばれる考え方だ。

 学者はほとんどが違憲だと言う。裁判所はわれわれが決めることじゃないと言う。じゃあ、そんな中で、誰がどのように判断して、ここまで来たかというと、これが国会なのである。もちろん、政策は基本的には政府が決めるわけだが、政策を実行するには法律の制定が必要で、政府は国会の議決なしには、政策を実行することができない。
 たとえば、2003年のイラク戦争のときに自衛隊が派遣されたが、このときも「イラクにおける人道復興支援活動及び安全確保支援活動の実施に関する特別措置法」が制定され、これを根拠に自衛隊が派遣されたのである。

 先ごろ憲法審査会(衆参両院に設置された機関)に参考人として呼ばれた3人の憲法学者が、現在審議されている「安保法制」に関して、こぞって違憲であるとの意見を述べたことが話題になっている。
 自民党が推薦した長谷部恭男・早稲田大学法学学術院教授が違憲論を述べたのはサプライズだったが、学界の通説は、自衛隊違憲論であるから、その流れからすれば、学者たちが「安保法制」も違憲とするのは、ある意味当然の帰結なのである。

 ということで、今日の私の結論は、今さら「学者はみんな違憲という意見だぞ」などと大騒ぎしてるんじゃないよ。

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受験生・保護者の皆さん、学校や塾の先生方に最新情報をお届けします。ただし、結構頻繁に受験と無関係の話も。

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