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国会における「60日ルール」とは何か

 最近、国会における「60日ルール」というのを耳にする機会が増えた。

 これは俗称であって、その中身は以下に示す憲法59条第4項の規定のことである。
 59条は、法律の議決と衆議院の優越について定めている条文だ。

■憲法59条
 1.法律案は、この憲法に特別の定のある場合を除いては、両議院で可決したとき法律となる。
 2.衆議院で可決し、参議院でこれと異なつた議決をした法律案は、衆議院で出席議員の三分の二以上の多数で再び可決したときは、法律となる。
 3.前項の規定は、法律の定めるところにより、衆議院が、両議院の協議会を開くことを求めることを妨げない。
 4.参議院が、衆議院の可決した法律案を受け取つた後、国会休会中の期間を除いて60日以内に、議決しないときは、衆議院は、参議院がその法律案を否決したものとみなすことができる。
 現在国会では、いわゆる安保法制が審議されているが、衆議院・参議院ともに、与党(自民・公明)が多数を占めているので、普通に可決されるだろう。
 
 ただ、民主党などの野党が、さまざまな手段を講じて審議の引き延ばしを図る可能性がある。
そこで、そのようなことをしても「60日ルール」にもとづいて衆議院で再可決すればいいのだから無駄であると牽制しているわけだ。

 衆議院の優越については、上記の第59条のほか、以下の条文でも規定されており、各県の入試問題でしばしば出題されている。
 第60条 予算議決に関する衆議院の優越
 第62条 条約の承認に関する衆議院の優越
 第67条 内閣総理大臣の指名に関する衆議院の優越

 60日という日数自体が問われる可能性はないと言えるが、衆議院の優越が認められているケースについては、対処の方法も含めて覚えておく必要があるだろう。

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受験生・保護者の皆さん、学校や塾の先生方に最新情報をお届けします。ただし、結構頻繁に受験と無関係の話も。

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