目先のプレミアム(「お得」)に踊らされてはならない
名古屋市の70代男性が、名古屋市発行のプレミアム商品券を買い求めようと列に並んでいたところ、熱中症で倒れ救急車で搬送されたというニュース。
熱中症とプレミアム商品券とを無理に結びつける必要はなかろうと思うが、見出しとしてはインパクトがある。
プレミアム商品券とは、政府が補助金を出し、全国各自治体が、その地域限定で使える商品券を発行するものだ。たとえば1万2千円分の商品券が1万円で買える。つまり2千円分がプレミアム(お得)。そういう仕組みだ。
政府が進める地方創生政策の一環だが、当初からその経済効果は疑問視されている。
だいぶ前に、似たようなものとして地域振興券というのがあった。1999年、小渕内閣のときである。
2009年、麻生内閣のときには、定額給付金が支給された。
どちらも、経済政策としてはあまり成功したとは言えず、「ばらまき」という批判が多かった。
ちなみに、この2つの政策を強く推したのは公明党と言われている。今回のプレミアム商品券にも「ばらまき」という批判が絶えないが、これもまた公明党の主張を取り入れた結果と言われている。そういう政策が好きらしい。
プレミアム商品券の問題点については、すでに多くの識者が指摘されている。これに期待を寄せている専門家は、あまりいないようである。
今回投じた予算は2500億円。地域振興券のときの7700億円、定額給付金の2兆円に比べると小粒な政策であり、その面からもそれほど大きな経済効果は期待できない。
プレミアム商品券が、効果を発揮するとしたら、人々が商品券を使い切り、なおかつ、ふだん買わない商品やサービスの購入に当てた場合である。
日用品の購入に当てたのでは、新たな消費を喚起したことにならないし、お得になった分を貯蓄に回したら、これまた消費の喚起にはならない。
私も「お得」には弱い性質だから、もしかしたら熱中症の危険を冒してでも並んでしまうかもしれないが、生活支援や消費喚起を狙うのなら、減税政策もあるわけである。ただし、減税というのは意外に「お得」の実感がない。
給料やボーナスを上げてくれるとか、時給単価を上げてくれるとか。また、将来の生活不安を取り除いてくれるとか。いろんな政策があるわけだ。難しいけれど、これを実現してほしい。われわれは、そのことを強く求めるべきなのだ。
目先の「お得」に踊らされないように注意しよう。
熱中症とプレミアム商品券とを無理に結びつける必要はなかろうと思うが、見出しとしてはインパクトがある。
プレミアム商品券とは、政府が補助金を出し、全国各自治体が、その地域限定で使える商品券を発行するものだ。たとえば1万2千円分の商品券が1万円で買える。つまり2千円分がプレミアム(お得)。そういう仕組みだ。
政府が進める地方創生政策の一環だが、当初からその経済効果は疑問視されている。
だいぶ前に、似たようなものとして地域振興券というのがあった。1999年、小渕内閣のときである。
2009年、麻生内閣のときには、定額給付金が支給された。
どちらも、経済政策としてはあまり成功したとは言えず、「ばらまき」という批判が多かった。
ちなみに、この2つの政策を強く推したのは公明党と言われている。今回のプレミアム商品券にも「ばらまき」という批判が絶えないが、これもまた公明党の主張を取り入れた結果と言われている。そういう政策が好きらしい。
プレミアム商品券の問題点については、すでに多くの識者が指摘されている。これに期待を寄せている専門家は、あまりいないようである。
今回投じた予算は2500億円。地域振興券のときの7700億円、定額給付金の2兆円に比べると小粒な政策であり、その面からもそれほど大きな経済効果は期待できない。
プレミアム商品券が、効果を発揮するとしたら、人々が商品券を使い切り、なおかつ、ふだん買わない商品やサービスの購入に当てた場合である。
日用品の購入に当てたのでは、新たな消費を喚起したことにならないし、お得になった分を貯蓄に回したら、これまた消費の喚起にはならない。
私も「お得」には弱い性質だから、もしかしたら熱中症の危険を冒してでも並んでしまうかもしれないが、生活支援や消費喚起を狙うのなら、減税政策もあるわけである。ただし、減税というのは意外に「お得」の実感がない。
給料やボーナスを上げてくれるとか、時給単価を上げてくれるとか。また、将来の生活不安を取り除いてくれるとか。いろんな政策があるわけだ。難しいけれど、これを実現してほしい。われわれは、そのことを強く求めるべきなのだ。
目先の「お得」に踊らされないように注意しよう。