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文部科学省は「総合」がお気に入り

 文部科学省が、中央教育審議会の特別部会(教育課程企画特別部会)で、次期学習指導要領の改訂骨格案を示した。

 この度の改定では、高校の教育課程に大きな変化が見られるようである。
 高校の地歴では、近現代史を中心に学ぶ「歴史総合」と、「地理総合」の2科目が新設され、共に必修となる。また公民では、「公共」という新科目が設定され、これも必修となる。

 それにしても、近年の文科省の皆さんは、よほど「総合」という言葉がお気に入りらしく、国語総合、理科総合、家庭総合といった具合に、次々に総合と名のつく科目を誕生させている。そうそう、「総合的な学習の時間」なんていうのもあった。

 ちなみに、私が教員をやっていた時代に、総合と名のつく教科はなかった。記憶に残っているのが、社会で「現代社会」という科目が新設され、「これって、なに教えればいいの?」と悩んだことである。

 現行の指導要領では世界史が必修になっているが、むしろ日本史を必修にすべきだろうという意見があった。「歴史総合」は、共に近現代史をあつかう日本史Aと世界史Aを合わせたような科目だから、日本史必修に半歩近づいた形と言えそうだ。

 「公共」というのはよく分からんね。これは先生方も悩むと思う。
 現行の「政治・経済」と「倫社」を足して2で割って、家庭や情報の一部をまぶした感じかな。
 中身は今ある教科・科目の中で十分教えられる内容なんだが、政府・自民党及びその意向を受けた文科省としては、「公共」という言葉を使うことが大事なんだろう。

 「公共」という言葉は、日本国憲法の中にも登場する。
■憲法第12条「この憲法が国民に保障する自由及び権利は、国民の不断の努力によって、これを保持しなければならない、又、国民は、これを濫用してはならないのであって、常に公共の福祉のためにこれを利用する責任を負ふ」
■憲法第13条「すべて国民は、個人として尊重される。生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利については、公共の福祉に反しない限り、立法その他の国政の上で、最大の尊重を必要とする」
■憲法第29条「②財産権の内容は、公共の福祉に適合するやうに、法律でこれを定める」

 これらの場合、「公共」という言葉は、「個人」の対語として用いられているわけである。個人の利益は、ときに社会全体の利益の前で、制約を受けることがある。それはそれでいいが、「公共」の名の下に、個人の自由が必要以上に制限を受けてはならないのだ。
 新科目「公共」に反対はしないが、注意深く見守って行こうと思う。

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受験生・保護者の皆さん、学校や塾の先生方に最新情報をお届けします。ただし、結構頻繁に受験と無関係の話も。

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