受験生は、学校の先生より、家の人の情報を重視
平成27年度「埼玉県学力・学習状況調査」の結果(速報)が県教育委員会のホームページに掲載されている。
文部科学省が行なう「全国学力・学習状況調査」とは別に、埼玉県(さいたま市を除く)が独自に行っているもので、調査は平成27年4月16日に実施された。
調査対象は小学4年から中学3年までの6学年である。中学校の場合、360校、約14万8千人による調査である。
こうした調査では、どちらかと言うと、学力調査の平均点などに関心が向かいがちだが、今回は質問紙法による学習状況調査のほうに注目してみた。
たとえば、こんな質問がある。
「学習塾でどのような勉強をしていますか」。
この質問には「通っていない」という選択肢があり、これを選んだ生徒の割合は次のとおりである。なお、家庭教師は学習塾の中に含むとされている。
「通っていない」 中1 54.8%
中2 46.6%
中3 35.5%
中1、中2はこんなものかと思うが、中3が意外に高い(裏を返せば通塾率が低い)。
ただ、調査は新学期早々に行なわれたものであるから、夏休みも終盤を迎えた現在は、塾に通う生徒が増えていると予想される。
次に、これはよくある質問だが、「中学校を卒業後の進路について、どんなことを重視して選びたいですか」というものがある。
「当てはまる」と「どちらかと言えば、当てはまる」の割合の合計が高い順に並べると次のとおりである。
93.6% 自分の学力にあっていること
88.2% 自分がやりたい勉強や部活動ができること
87.4% 自分が将来、職業や仕事に就くために役立つことが学べること
84.6% 自分の個性や特技が活かせること
聞かれているのは、この4項目だけなので、この中では「自分の学力に合っていること」が上位にくるだろう。将来の職業や仕事について具体的に考えている生徒は少ないだろうし、まだこの段階では、自分の個性や特技がなんであるかがはっきり自覚できていなくてもやむを得ない。
もう一つ、紹介しておこう。
「中学校を卒業後の進路を選ぶときに,どのような情報を参考にしたいと思いますか」という質問がある。
93.2% 高校の見学会などに参加し,自分で進路先を見ること
84.6% 家の人の話
83.8% 学校の先生の話
77.4% 友だちや先輩の話
家の人が、学校の先生を上回る。
情報を参考にするということを、意見や考えを聞くという意味でとらえたとしたら、悪いことじゃない。親の意見は聞いたほうがいいに決まっている。
ただ、入試や受験に関する数値的な情報の意味でとらえたのであれば、本来、親よりも学校の先生が頼られるはずで、この点がどうなのかと思う。
また、ここでも4項目について聞いているが、この中に「塾の先生」というのを入れておいたら、どんな数字になるかだ。
学校が行なう調査に「塾の先生」は入れにくかったのか。しかし、「学習塾でどのような勉強をしているか」を聞いているわけだから、「塾の先生」を入れても良かったのではないか。
ということで、調査結果のほんの一部を紹介してみた。
いつも言っているように、塾や学校の先生方には、ぜひ元データに当たっていただきたい。
※コチラで見られるはずです。↓
埼玉県学力・学習状況調査
文部科学省が行なう「全国学力・学習状況調査」とは別に、埼玉県(さいたま市を除く)が独自に行っているもので、調査は平成27年4月16日に実施された。
調査対象は小学4年から中学3年までの6学年である。中学校の場合、360校、約14万8千人による調査である。
こうした調査では、どちらかと言うと、学力調査の平均点などに関心が向かいがちだが、今回は質問紙法による学習状況調査のほうに注目してみた。
たとえば、こんな質問がある。
「学習塾でどのような勉強をしていますか」。
この質問には「通っていない」という選択肢があり、これを選んだ生徒の割合は次のとおりである。なお、家庭教師は学習塾の中に含むとされている。
「通っていない」 中1 54.8%
中2 46.6%
中3 35.5%
中1、中2はこんなものかと思うが、中3が意外に高い(裏を返せば通塾率が低い)。
ただ、調査は新学期早々に行なわれたものであるから、夏休みも終盤を迎えた現在は、塾に通う生徒が増えていると予想される。
次に、これはよくある質問だが、「中学校を卒業後の進路について、どんなことを重視して選びたいですか」というものがある。
「当てはまる」と「どちらかと言えば、当てはまる」の割合の合計が高い順に並べると次のとおりである。
93.6% 自分の学力にあっていること
88.2% 自分がやりたい勉強や部活動ができること
87.4% 自分が将来、職業や仕事に就くために役立つことが学べること
84.6% 自分の個性や特技が活かせること
聞かれているのは、この4項目だけなので、この中では「自分の学力に合っていること」が上位にくるだろう。将来の職業や仕事について具体的に考えている生徒は少ないだろうし、まだこの段階では、自分の個性や特技がなんであるかがはっきり自覚できていなくてもやむを得ない。
もう一つ、紹介しておこう。
「中学校を卒業後の進路を選ぶときに,どのような情報を参考にしたいと思いますか」という質問がある。
93.2% 高校の見学会などに参加し,自分で進路先を見ること
84.6% 家の人の話
83.8% 学校の先生の話
77.4% 友だちや先輩の話
家の人が、学校の先生を上回る。
情報を参考にするということを、意見や考えを聞くという意味でとらえたとしたら、悪いことじゃない。親の意見は聞いたほうがいいに決まっている。
ただ、入試や受験に関する数値的な情報の意味でとらえたのであれば、本来、親よりも学校の先生が頼られるはずで、この点がどうなのかと思う。
また、ここでも4項目について聞いているが、この中に「塾の先生」というのを入れておいたら、どんな数字になるかだ。
学校が行なう調査に「塾の先生」は入れにくかったのか。しかし、「学習塾でどのような勉強をしているか」を聞いているわけだから、「塾の先生」を入れても良かったのではないか。
ということで、調査結果のほんの一部を紹介してみた。
いつも言っているように、塾や学校の先生方には、ぜひ元データに当たっていただきたい。
※コチラで見られるはずです。↓
埼玉県学力・学習状況調査